助っ人不在のなかで…
DeNAが敵地・バンテリンドームナゴヤでの中日戦に勝ち越し。今季初のカード勝ち越しを掴んだ。
8日の試合で注目を集めた選手と言えば、一時は試合をひっくり返す本塁打を放ったルーキー・牧秀悟や、リリーフ登板で2年ぶりの白星を掴んだ山﨑康晃の名前が多く挙がっているが、この日放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説陣がポイントに挙げたのが、2番に入る柴田竜拓の仕事ぶりだった。
このカードから「2番」の座を任された27歳は、初戦こそ無安打だったものの、犠打2つに犠飛1つの活躍で存在感を発揮。
すると、7日の試合では1打席目・2打席目に連続で安打をマーク。8日の試合も四球ひとつに2安打で1得点。
なかでも8日の試合は、6回に二死走者なしから柴田が安打で出て、直後の牧が逆転の2ラン。9回も、先頭で相手のクローザー・祖父江大輔から安打を放ち、代走の宮本秀明が勝ち越しのホームを踏んでいる。
8日放送の『プロ野球ニュース』で解説を務めた笘篠賢治氏は、助っ人不在のDeNA打線について、「いまのDeNAは“超攻撃型オーダー”ではないなかで、1番が出て、2番がどうつないで主軸に良い形で回していくのか」という部分が重要になっていることを挙げ、「柴田が3・4・5番につなぐ役割をキッチリと果たしてくると、得点能力はアップしますよね」とコメント。
現代野球では、“2番打者最強説”として2番にスラッガーを置く起用法も珍しくなくなってきたが、柴田に求められているのは「昔からの“つなぎ”の形」とし、「何でもできる、守っている相手に色々なことを考えさせることができる」と、この3連戦で見せた働きぶりを高く評価した。
まさかの出遅れも、勝っていくことで流れは変わる。ここに来て外国人選手の合流に関する報道も出てきているなか、三浦大輔新監督はいかにしてこの苦境を乗り越えていくのか。投打が噛み合いつつある番長DeNAから、目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』