ソフトバンクのスチュワート (C) Kyodo News

◆ エース・千賀が離脱でも…

 開幕4連勝スタートから、まさかの5連敗…。

 そこから3連勝で開幕後の2週間は7勝5敗としているものの、いまひとつ戦いぶりが安定しない王者・ソフトバンク。

 4月6日(火)の日本ハム戦では、勝利こそ挙げたものの、今季初戦に挑んだエースの千賀滉大がピッチャー返しの打球を処理した際に負傷。

 8日(木)の試合でも、先発した武田翔太に折れたバットが直撃するアクシデント。負傷交代にはならず、その後も続投することはできたものの、この短い時間のなかでことごとく先発陣に不幸が相次いでいる。

 それでも、日本一4連覇中の王者の“強さ”と言えば、誰かが抜けてもその穴を埋める選手が出てくる「層の厚さ」。一軍先発陣の受難がつづく中、ファームに目を向けてみると、アピールを続けている新たな“秘密兵器”候補がいる。

 今年で来日3年目になるカーター・スチュワート・ジュニア投手(21)は9日、タマスタ筑後で行われている広島とのファーム公式戦に先発登板。

 今季3試合目の登板は7回を投げて被安打7、与四球がひとつ。7つの三振を奪って4失点という結果だった。

 2018年のMLBドラフトでアトランタ・ブレーブスから1巡目(全体8位)で指名を受けながら、メディカルチェックで発覚した右手首の故障により交渉がまとまらず、大学への進学を経て、2019年にソフトバンクと電撃契約を結んだフロリダ出身の若き有望株。

 1年目は三軍を主戦場に経験を積み、昨季は二軍へとステップアップ。満を持して一軍デビューを目指す今季は、二軍戦で2試合に先発して1勝0敗、防御率1.29と好成績を残し、この日の登板を迎えた。

 立ち上がりからストレートが高めに浮くシーンは目立ったものの、そのほとんどが150キロ以上を計測とパワーで圧倒。カウントを悪くしてもかんたんに四球を与えることなく、2イニングをパーフェクトの好スタートを切る。

 3回にはじめての安打を許し、二死からの四球で一・二塁としたものの、小園海斗を遊ゴロに斬ってピンチ脱出。4回も先頭の桒原樹にセンターオーバーの二塁打を浴びたが、後続を落ち着いて打ち取り、ここも無失点。5回は2三振の三者凡退と、この日も順調にゼロを並べていった。

 しかし、今季最長となる6回に試練が…。

 先頭を味方の失策で出す不運に見舞われ、さらに安打で一・三塁と大きなピンチ。3番・桒原には低めの速球をうまくセンターに運ばれ、これが適時打となって失点。さらに髙橋にも三遊間突破の安打を許し、3連打でなおも無死満塁の大ピンチに。

 そこから正隨と林は内野ゴロに仕留めるも、これがいずれも併殺崩れとなって1点ずつが入り、さらに二死一塁から木下元秀には左中間に弾き返される適時二塁打。持丸は三振で3つ目のアウトを奪ったが、6イニング目に4点を失った。

 この時点で球数は92となっていたが、スチュワートは7回も続投。この回も先頭に安打を浴びて走者を背負ったが、100球を超えてもボールの力は衰えず、後続を外野フライ2つと内野ゴロに仕留めて7回を踏破。最後は意地を見せ、110球を投げ抜いた。

 結果的には7回4失点となったものの、乱れた6回は先頭のエラーから。今季はここまで2試合の合計が7イニングだったところ、この日は1試合で7回を投げて110球。イニング・球数を投げられる状態であることをアピールできたのは収穫だろう。

 3年目の日本デビューも、そう遠くはない…?筑後で成長の跡を見せている鷹の背番号「2」の今後に注目だ。

文=尾崎直也

この記事を書いたのは

ベースボールキング編集部

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