今季13試合でチーム本塁打は「1」
先週の土曜日から「0点」「1点」「3点」「3点」「2点」と、得点力不足が深刻化している中日。
10日のヤクルト戦も初回に幸先よく先制点を挙げながら、後が続かず…。一発で逆転された後、1点を返して追いつくのが精いっぱい。2-2の引き分けに終わった。
チャンスがないわけではない。
10日の試合もチームで10本の安打を放ち、四球も5つゲット。そのうえで相手の失策も2つもらったが、ここぞの場面であと一本が出ない。
8回裏には二死一・二塁から京田陽太に代打を送る勝負手に出るも、井領雅貴は空振りの三振…。勝ち越しの1点をもぎ取ることは叶わなかった。
相手の2点が主砲・村上宗隆の豪快な2ランだったこともあり、改めて打線の“迫力不足”が浮き彫りとなっている。
13試合を消化したところで、中日のチーム本塁打は「1本」。開幕戦の8回にダヤン・ビシエドがマツダスタジアムのライトスタンドまで叩き込んで以降、実に12試合もの間、アーチが架かっていないのだ。
その唯一の本塁打を放ったビシエドも現在はコンディション不良で離脱中…。悩める竜打線の現状について、10日放送の『プロ野球ニュース』で解説を務めた井端弘和氏は、「チャンスでの姿勢」に言及した。
古巣への“喝”が飛び出したのは、本塁打が出ないことではなく、チャンスで迎えた打席での心構え。
「一番甘い球が来るのは初球。チャンスで初球から行けたのは(代打出場の)福留選手くらいで、その結果がヒットですから。やっぱりバットを振らなければ結果は出ないので、勇気を振り絞って行ってほしいですよね」。
この日は同点の6回から相手に極端な外野の前進守備を敷かれるシーンも見られたが、これには「6回から前進守備は早いですよ。これはドラゴンズの中継ぎ投手が良いと思われているか、逆に外野を越されることはないと思われているか」と分析。結果的に福留の安打が勝ち越しにつながらなかったのは、その前進守備があったからだった。
本塁打が出ていないだけでなく、初球から積極的に打ちに行くことができていないという点も、すべては上述した“迫力不足”につながってくる部分。
結果につながらなくとも、「チャンスの時こそ積極的に」…。投手陣の奮闘は目立っているだけに、OBである井端氏のアドバイスが届き、打線が目覚めた時には、昨季終盤のようなあっと驚く快進撃が待っていることだろう。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』