大矢氏「右バッターにとっては厄介」
巨人が5連勝を飾り、今季19試合目で10勝に到達。
エース・菅野智之が9回6安打完封の快投を見せ、今季初白星を掴んだ。
押しも押されもせぬ巨人のエースは、今年も開幕戦のマウンドに登るも、6回3失点で勝ち負けつかず。
その後、足の違和感による登録抹消で1度登板機会を飛ばし、復帰戦となった4月9日の広島戦は7回2失点も負け投手に。
あれから中6日、今季初勝利を目指して横浜スタジアムのマウンドに登った。
この日は打線が4回以外の8イニングで安打を記録するなど、計19安打と絶好調。
菅野もそのうち1安打を記録するなど、援護は豊富にあった分、攻撃の時間が長くなるという不安はあったが、そこはさすがのエース。集中を切らすことなく、スコアボードにゼロを並べていく。
4回は一死からタイラー・オースティンに二塁打を浴び、この日はじめてのピンチを迎えるも、佐野恵太は二ゴロに仕留め、二死三塁からネフタリ・ソトは中飛で無失点。
7回には先頭の佐野に安打を許し、アウトを挟んで宮﨑敏郎にも安打を浴びて一死一・二塁となったが、代打の倉本寿彦を投ゴロの併殺に斬ってピンチ脱出。
8回終了時点で球数は103となっていたが、7点リードの9回ももちろん続投。佐野にこの試合はじめての四球を出したが、最後はソトをシュートで詰まらせて27個目のアウト。今季初勝利を完封で飾った。
この日の菅野の投球について、16日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の大矢明彦氏は「気持ちが強く出たピッチングだった」と振り返る。
開幕から3週間経っての今季初勝利。「故障もあったりして、良いスタートが切れなかったので、『今日こそは…』という気持ちが一番強く出たピッチングだと思います」と、まずは“ひとつ目の勝利”にかけた菅野のメンタル面について言及。
また、投げていたボールに関しては、同じく解説を務めた野村弘樹氏が「スライダーのイメージが多いなか、きょうはフォークボールを多く使っていましたよね」と指摘。
これについては大矢氏も、「右バッターの膝もとに行く、ツーシーム気味に落ちていくボールですよね。右バッターにとっては厄介ですね」と解説。
菅野のイメージとして刷り込まれたカットボールやスライダー、それを逆手に取るような“対になるボール”の存在が、完封の快投を呼び込んだ要因のひとつではないかと分析した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』