メジャーでの経験もあるロメロ
横浜DeNAベイスターズは19日、先月28日に来日して2週間の隔離期間を終えた新外国人選手のフェルナンド・ロメロ、育成契約のケビン・シャッケルフォード、同じく育成のスターリン・コルデロの3投手の入団記者会見をオンラインでそれぞれ行なった。
まず、会見の冒頭でDeNAの三原一晃球団代表は、「現在、ベイスターズはひじょうに苦しい戦いが続いている。現在も連敗中ということであるが、もっとも大きな原因というのは、外国人選手の入国が遅れてしまったということ。新監督に三浦監督を迎えるにあたって、戦力面でも環境面でも整えてスタートを切ってもらうということが我々の仕事だが、それができていないということについて大変申し訳なく思っている」と釈明した上で、新外国人投手のロメロについて、
会見でロメロは、「まず、こうして横浜で仕事ができる機会を与えてくれたことにとても感謝している。こうして来日することができ、もうすでに準備はできているので、自分のベストを尽くしてみんなと戦っていけたら」と話した。
身長183センチ、ドミニカ共和国出身の右腕は、自身の今の状態について、「とてもいい。すでに1軍に上がって投げられる状態だと思っている。フィジカル的にもメンタル的にももうすでに準備はできている」という。
メジャーリーグではツインズで2018年に11試合に先発して3勝、翌2019年はリリーフで15試合に登板したロメロ。日本の野球については、「これまで経験してきた野球とそれほど違いはないと思っている。同じ野球だし、場所は関係ない。大切なのは情熱で、熱い気持ちをもってこれから戦っていけたら」と意気込み、「球団からオファーを受けた時に、すごく親切にいろいろ説明していただき、日本でぜひ働きたいと思った」と来日を決意した経緯について述べた。
開幕6連敗後、さらに目下8連敗中と苦しむチームに加入するが、「チームの状態というのは、結果が出る日もあれば、出ない日もあると思うが、みんなで力を合わせて状態を良くしていって、自分が投げる機会をいただいた時はその都度、100%の力で投げられるように頑張りたい」というロメロは、自らの投球スタイルについて、「打者によって打ち取り方は変わってくるので一概には言えないが、今、状態は良くて、すべてのボールについて自信を持って投げられる。シンカー、スライダー、真っ直ぐ、チェンジアップ、どれも自信を持って投げられたら」と話した。
特徴でもある自身の高速シンカーについては、「現在、94~95マイル(約151~153キロ)のシンカーを投げている。どのカウントであっても同じように投げられることが強み」なのだという。
ツインズ在籍時の2018年の5月には、アナハイムでエンゼルス・大谷翔平と先発同士で投げ合ったこともある。大谷翔平は、今季の投球で101マイル(約163キロ)をマークしたが、ロメロは、「スピードが一番大事というわけではなく、アウトを取ることが一番大事。彼を追い越そうというのはないが、自分も速いボールを投げられる投手だと思っているので、99、100マイル(約159、161キロ)を投げられたら」と話した。
イチローと対戦した経験があるシャッケルフォード
育成選手として契約したケビン・シャッケルフォード投手について、三原球団代表は、「2017年から海外スカウトの方でリストアップしていた選手。当時からリリーバーとして3Aで活躍していたが、その後、怪我をして投げられない期間があった。昨年の夏、(現地アメリカで)テストをさせてもらい、いい時のように投げられるということを確認した上で育成契約からスタートということで契約をさせていただいた。タイプとしては長身から投げるMAX156キロの真っ直ぐと鋭く落ちるスライダーを武器に短いイニングで活躍する投手」と紹介した。
米国ノースカロライナ州出身で、32歳になる196センチの長身右腕は、2017~18年にかけて、メジャーリーグのレッズで計31試合、リリーフを務めてきたが、2018年に右肘靭帯の再建手術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けている。
「すごくいい状態で来ている。ゲームも問題なく出られると思う」というシャッケルフォードは、「故障をしてから少し長い時間が経ったが、こういったすごくいいチャンスをいただけたので頑張って活躍したい。ひじょうにいいチャンスを横浜からいただけたと思っている」と意気込んだ。
会見の中でシャッケルフォードは、「今までにチームメイトとして日本人とプレーしたことはないが、2018年のスプリングトレーニングでイチロー選手と対戦した経験がある」と明かした。「自分の野球経験の中で最もクールな体験だった。イチローさんを三振に取った」のだという。「(イチロー選手は)たぶん飛行機から降りたばかりで時差ぼけがあった中で対戦したと思うので、そのような結果になったと思う(笑)」とフォローも忘れなかった。
三原球団代表によれば、二軍で結果を残せば「リリーバーでもあり、早いタイミングで」支配下登録から1軍昇格もあり得るという。
スターリンはどんな投手?
ドミニカ共和国出身で育成契約のスターリン・コルデロ投手(登録名=スターリン)について、三原球団代表は、「ベイスターズは中南米からトライアウトを行なって育成選手として獲得するということをここ2年続けており、3年目ということで獲得している。彼の特徴は、2メートルを超える長身から投げ下ろす最速156キロの真っ直ぐと変化球。育成ということで22歳ですのでひじょうに若い。これからどんどん技術を磨いて日本の文化や野球に慣れて、活躍を期待したいという人材」と紹介した。
入団に際し、「とても幸せに思っている。(今の状態は)とてもいい。もうグラウンドでチームメイトと一緒に練習もしていて充実している」と語った身長2メートル1センチの右腕スターリン。日本での生活については、「スタジアムもそうだし、すべてのことが違うと思っている。すべてのことを勉強してこれから成長していけたら。日本の文化や言葉も覚えることが大切だと思っているので、トライしていきたい」と話し、「これから結果を残してスタジアム内外でファンの方に認められる選手になれたらと思う」と意気込んだ。
(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)