ロメロには先発ローテの一角を期待
DeNAは19日、育成2投手を含む新外国人3投手の入団発表記者会見を行った。
会見に同席した三原一晃球団代表は、3投手の中で唯一支配下選手として契約したフェルナンド・ロメロ投手(26)について「23歳でメジャーデビューと、いわゆるプロスペクト(若手有望株)と言われていた選手」と説明し、「ピッチングスタイルは最速161キロの真っ直ぐと、高速の変化球を武器として相手を倒していく投手。メジャーではブルペンの経験もあるが、ベイスターズでは先発ローテーションを担ってもらうことを期待しての獲得」と続け、起用方法にまで言及した。
そのロメロは、「横浜で仕事ができる機会を与えてもらったことに感謝。これからベストを尽くして、みんなと一緒に戦っていけたら」と第一声。来日後に新型コロナ陽性が発覚し、隔離期間も経験したが、現在は「とてもいい状態。フィジカル面、メンタル面とも既に準備はできている」と自信を見せた。
球種については「どのカウントであっても投げられることが強み」といいう「現在94から95マイル出るシンカー」と、どれも自信を持って投げられるという「4シームファストボール、スライダー、チェンジアップ」の4種を駆使して打ち取るスタイルで、日本の野球に対しては「これまで経験してきた野球とそれほど違いはない。同じ野球。場所は関係ない。大切なのは情熱。熱い気持ちを持ってこれから戦っていけたら」と、ドミニカンらしいコメントを残した。
メジャーリーグではツインズに所属。昨年は登板機会はなかったが、2018年には先発として11試合に登板し、55.2回で3勝3敗。2019年は一転して救援で15試合に登板、14回で0勝1敗1ホールドの成績を残している。現在は厳しい戦いの続くベイスターズだが、「チーム状態は日によって良い結果が出るときと出ない時がある。みんなで力を合わせて状態を良くして、自分が投げる機会をいただいたときにはその都度、100%の力で投げられるようにしたい」と、言葉に力を込めた。
まだ26歳と若い右腕が、溢れるパッションを武器にチームの窮地を救えるか注目だ。
育成契約の2投手も会見
また、ロメロに続いてケビン・シャッケルフォード投手(32)と、スターリン・コルデロ投手(22)も会見に臨んだ。
メジャーリーグではレッズに所属していたシャッケルフォードは、2017年には救援として26試合(30.2回)に登板し、勝ち負けはなく3ホールド。2018年も救援で5試合(8回)に登板、0勝1敗の成績で6月に自由契約となり、同月に右肘のトミージョン手術を受けた。
三原代表は「17年から海外スカウトがリストアップしていた」と、長年の恋人であることを明かし、術後の「昨年の夏にアメリカでテストさせてもらい、いいときのように投げられると確認した」と獲得に至った経緯を説明。現在は育成契約だが、「支配下を前提に契約している。一軍に来てもらうことはあり得ると思う」と、早期に戦力となることを期待した。
シャッケルフォードは「ここに来れて戦えることになり嬉しいです」と挨拶。「怪我をして長い時間が経って、すごくいいチャンスを横浜からいただけたと思っています。頑張って活躍したい。チームが自分を必要としてくれれば、期待に応えたいと思っています」と意気込んだ。
アメリカでは「2018年のスプリングトレーニングでイチローと対戦し、三振を奪った。自分の野球経験の中で最もクール!」と笑顔を見せ、「イチローは多分飛行機を降りたばかりで時差ボケがあって、そのような結果になったと思う」と、茶目っ気たっぷりに話した。
すでにファームでは登板済みで「ゲームにも問題なく出れる。いい状態」と自己評価。日本にも「いい印象で、チームメイトともいい感じでここまで来ています」と順応している様子。196センチの長身から繰り出されるMAX156キロの真っ直ぐと、鋭く落ちるスタイだーを武器にブルペンを支える存在として、まずは支配下を目指していく。
そして最後に会見したスターリンは、ドミニカ出身の右腕で、「日本の文化や野球を学んで活躍してほしい(三原代表)」と素材を見込んでの獲得。スターリンも「ドミニカとは野球、スタジアムなど全てが違う。文化や言葉も覚え、全てのことを勉強して成長していきたい」と、まずは日本に慣れることからのスタートとなる。
外国人選手がようやく揃った三浦ベイスターズ。反撃はこれからだ。
なお、背番号はロメロが「42」、シャッケルフォードが「049」、スターリンが「110」となっている。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)