◆ 試合後は「めちゃめちゃ疲れました」
巨人が接戦を制して3連勝。
エースの菅野智之が9回・116球、一人で投げ抜く1失点完投で今季の2勝目を掴んだ。
巨人・菅野と広島は九里亜蓮、両右腕の投げ合いで緊迫した投手戦となったこの試合。
均衡が破られたのは5回。巨人は先頭の香月一也が安打で出ると、つづく大城卓三が低めのボールをうまくすくい上げ、高々と舞い上がった打球はバックスクリーン右へ。
エースを巧みにリードしてきた女房役がバットでも魅せ、チームに待望の先制点をもたらす。
援護を受けた菅野は直後の6回表、先頭の鈴木誠也にフルカウントからの変化球をうまく打たれ、左中間スタンドに叩き込まれたものの、後続は3人斬り。気を引き締め直し、その後も投げ進めていく。
8回は一死から四球を出し、さらに鈴木に安打を浴びて一死一・二塁とピンチを迎えたものの、4番の西川龍馬はおあつらえ向きの二ゴロで併殺。ピンチを脱し、ガッツポーズを見せる。
その後も追加点はなかったが、1点差の9回表もマウンドへ。最後はケビン・クロンを空振りの三振に斬り、思わず雄叫びを挙げながらグラブをひと叩き。駆け寄った大城と抱擁して勝利の喜びをかみしめた。
相手先発の九里も最後までマウンドに立ち続ける中、負けじと最後までマウンドを守り続けたのは巨人のエースとしてのプライド。
試合後、お立ち台では「めちゃめちゃ疲れました」と笑いつつ、「相手の九里投手も気迫のあるピッチングをしていたので、何とか先に点をやらないように投げました」と、やはり相手も意識しつつの戦いであったことを明かした。
この日の菅野について、23日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の平松政次氏は、「8回のピッチングが見事でしたね」と振り返る。
1点差の8回表、一死一・二塁で打席には西川。ピンチで相性の悪い打者を迎えることとなった菅野だが、バッテリーは強気に内角勝負。「インサイドにスライダーを持ってきて詰まらせた。ゲッツーを取りたいという意図だったんですが、その通りに仕留めた。これは見事でした」と、ここ一番での集中力を絶賛。
平松氏はつづけて、「よく打たれている西川なので、外へ逃げたいとか、落としたりしたいとかあると思うんですよ。そこへインサイドに持ってきた。強気のピッチングですよね」と、投手心理について分析しつつ、苦手な打者に立ち向かっていった姿勢を讃えた。