解説陣もお墨付き「たのしみな選手が入ってきた」
ヤクルトが劇的な逆転サヨナラ勝ちで4連勝。
1点差の9回二死、追い込まれたチームを救ったのは、一軍昇格2戦目の新助っ人だった。
2-3と1点ビハインドで迎えた9回裏。今季は延長なしの9回打ち切りルールとなっているため、泣いても笑ってもこれが最後の攻撃となる。
ヤクルトの前に立ちはだかるのは、中日の守護神ライデル・マルティネス。160キロを超える剛速球を持つ、身長193センチの絶対的クローザーだ。
しかし、ヤクルトナインは誰ひとり諦めてはいなかった。
先頭の山田哲人は初球ストライクのあとボールが3つ。1球見送ってからの6球目を選んで四球で出塁すると、高津臣吾はすぐさま代走・並木秀尊を送る。
チーム随一の脚力を誇る走塁のスペシャリストを塁に置いてバッテリーにプレッシャーをかけると、4番・村上宗隆もフルカウントからしっかりと選んで四球。一・二塁から青木宣親のピッチャー返しはマルティネスの反応により阻まれるも、ここはピッチャーからセカンドに送られてアウトひとつだけ。一死一・三塁と状況が変わった。
すかさず青木に代走・松本友を送り、一打同点、長打が出れば逆転サヨナラの場面。打席には代走から途中出場の塩見泰隆。
高めの速球に押し負けないよう力いっぱいのスイングを試みたが、最後までバットでとらえることができず、最後は高め152キロで空振り三振。これで二死。万事休すか…と思われた。
二死一・三塁となって、打席には今季加入の新外国人選手ホセ・オスナ。前日のデビュー戦で4打数2安打、この日も第1打席で三塁打を放つなど、高い適応力を見せていた28歳は、塩見がとらえ切れなかった高めの速球をワンスイングで仕留める。
外寄り高めのボールを逆らわずに弾き返すと、打球は広く開いた右中間へ。並木が還って同点となり、一塁走者の松本も三塁を蹴ってホームへ。二者を還す起死回生の逆転サヨナラ打。9回二死、あとアウトひとつで負けという状況をひっくり返し、ヤクルトが連勝を4に伸ばした。
最高の滑り出しとなった日本でのプロ野球選手人生。ホセ・オスナの活躍ぶりを、有識者たちはどう見ているのだろうか…。24日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、新助っ人の大暴れが取り上げられた。
解説者の大久保博元氏は、「来日してきていきなり2安打、そして今日も2安打と。最初は“鈍感な選手”なのかなと思ったんですけど、今日の試合を見たら、能力が高くて打てる選手なんだなと思いました」と、いきなりその実力に太鼓判。
つづけて、「ヤクルトって外国人選手獲るのも、育てるのも上手なんですよね。なので、これからもっと良い選手になってくれる、そんな期待が持てる選手ですね」と、チームの伝統にも触れつつ、今後の活躍に期待を膨らませる。
また、同じく解説を務めた齊藤明雄氏も、「メジャーの時はユーティリティーという印象でしたけど、打撃はコンパクトに逆方向にうまく打てるバッターだなと」と、ここまでの印象についてコメント。
さらに、「緩い球は引っ張れる、速い球は逆方向へというバッティングができるので、率は残せるんじゃないかなと。勝負強いところもあって、たのしみな選手が入ってきましたね」とも語っており、長らくプロ野球を見てきた解説陣も好印象。
ヤクルトを上位へと導く起爆剤となり、日本でのブレイクなるか…。ツバメの背番号13から、目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』