2月の練習試合から猛アピール
「とにかくアピールして、早く一軍に上がれるようにと思って日々過ごしています」。
こう力強く話したのは、ドラフト3位ルーキー・小川龍成(國學院大)だ。
小川は2月の練習試合、オープン戦から開幕一軍入りに向け猛アピール。最大の武器であるショートの守備で好守を連発すれば、走っても3月2日のオリックスとのオープン戦で1試合に2つ盗塁を決めるなど、オープン戦は12球団トップの5盗塁を決めた。
「走塁コーチに色々アドバイスをもらって、それを自分のモノにできてきた部分が少しあった。(具体的に学んだのは)スタートの仕方。スタートが一番大事だと思っていたので、自分の感覚だけではなくて、体の使い方、スタートの技術を学びました」。
春季キャンプ中に課題に挙げていた打撃も、2月18日の楽天戦から2月24日のソフトバンク戦にかけて5試合連続安打。オープン戦でも3月2日のオリックス戦で途中出場から2安打を放つ活躍を見せるなど、しっかりと対応していた印象だ。
本人も、「キャンプで振りこんだり、河野さんや松中さんにアドバイスをいただいて、自分の感覚として良いものにできたと思います。練習試合、オープン戦では結果を出せたので、自信にはなりました」と話す。
その一方で、「開幕してからシーズン中の投手を打つことは違うと思います。まだ一軍にいけていないんですけど、バッティングをもっと向上していきたいなと思います」と公式戦で一軍の投手を打つためにも、さらなる技術向上に励む必要があると考えている。
コンディショニング不良でファーム開幕も
開幕一軍入りへアピールを続ける中で、3月19日の巨人とのオープン戦で途中交代。コンディショニング不良により開幕はファームで迎えた。
「下半身の強化であったり、体づくりの部分でトレーナーさんとしっかり話し合って、体を強くするという部分を取り組みました」。
「思っていたより下半身の使い方であったり、力がなかった部分がそのトレーニングを行って思ったので、体の使い方、下半身の強さは大事だなと感じました」。
リハビリの期間中、自身の課題点と、下半身の強さの重要性を改めて認識した。
二軍戦に復帰!
4月20日の楽天との二軍戦で公式戦初出場を果たすと、本職のショートだけでなく、サードのポジションでも3試合出場している。
「苦手意識とかはなく、内野ならどこでも守れるという自信がありました。サードとショートは距離感が違うと思ったので、距離感になれることだけ。しっかり練習でやった結果、試合でも対応できたので、そこだけ(距離感だけ)だと思います」と、問題なくサードのポジションもこなす。
ショートの守備についても「今までずっとやっていたポジションだったので、慣れている部分もありますし、プロに入ってから技術的に学んだ部分もある。それを活かしながら、自分の感覚としても良い感じで守備の面はできているかなと思います」と手応えを掴む。
「持ち味である守備、スピードをいかしたところの長所は、しっかり結果としてアピールしていくこと。打撃面ではヒットを打てないと(一軍に)上がれないと思うので、ファームの試合ではありますけど、結果、数字にこだわってやっていきたいなと思っています」。マリーンズファンは練習試合、オープン戦で見せたスピード感あふれるプレーを、ZOZOマリンスタジアムで1日も早く見れる日がくることを楽しみに待っている。
取材・文=岩下雄太