2021.05.01 14:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 10 | 終了 | 2 | 東京ヤクルトスワローズ |
横浜 |
これぞ横浜一心!!
横浜スタジアムに4月4日以来、久々にファンの歓喜と勝利を祝う花火が打ち上がった。長く続く嫌な流れを止めたのは、TBS時代から在籍し“暗黒時代を知る男”国吉佑樹だった。
初回にタイラー・オースティンのバックスクリーン直撃の超特大146m弾で先制。しかし先発の4年目右腕・中川虎大が3回先頭のサンタナを歩かせると、二死後に塩見泰隆の三遊間の当たりをショート・大和が好捕するも悪送球となりランナーは進塁。すると続く中村悠平の2点タイムリーで逆転を許し、山田哲人、村上宗隆に連続で四球を与え満塁となった場面で国吉佑樹が登板した。
厳しいシュチュエーションのなか、当たっている新外国人オスナを初球のカットボールで仕留めピンチを脱すると、4回には二死後に雨と落雷の危険があるため38分の長い中断があり、調整の難しい中での再開にもしっかりとカットで西浦直亨を空振り三振に切って取った。味方が同点に追いついた直後の5回も危なげなく三者凡退に抑えるナイスリリーフで、2回⅓を無安打、無四球、4奪三振のパーフェクトピッチングで、チームに勢いを与えた。
すると横浜で金縛りにあったように沈黙していた打線も奮起。6回にはヤクルトにミスが出て無死満塁のチャンスを迎え、宮﨑敏郎とネフタリ・ソトが連続三振と再び嫌なムードの中、代打・倉本寿彦が初球の156キロをセンター前に弾き返して2点を勝ち越すと、7回には大量6点を挙げ、最終的には10-2で快勝した。
お立ち台にも上がった国吉は「虎大が頑張っていたので勝ちに転がって行けるようにと、自分のピッチングを心掛けてマウンドに上がった」ことを明かし、中断にも「気持ちを切らさずに、再開したらもう1回集中し直して、一人ひとり抑えてベンチに帰ってくる」と気持ちを切り替えて流れを引き寄せた。
「れからもこういうピッチングを続けて行き、5月は勝っていけるようにしっかり頑張ります」と、巻き返しを誓った。
三浦監督も「国吉がよく踏ん張ってくれた。堂々と初球から勝負球を投げ、あそこでコケると嫌な流れになった。(中断に)集中力を切らさず準備してくれたのは大きかった」と称え、一度ファームに落ち、再び上がってきたことで「全体のバランスが良くなっていて、今日は特に良かった。角度のあるストレートに勢いがあって、いい時の国吉が戻って来たかなと思います」と高評価を与えていた。
殊勲の国吉と倉本だけでなく、勝利投手となったエドウィン・エスコバーも1回を2奪三振、6回は牧秀悟のバントがミスを誘い、7回も大和が送りバントを決めると共にフォアボールも絡めて加点。指揮官は「リリーフ陣も、打線もみんなで繋いだ。久しぶりのホームでの勝利は全員で掴んだ勝利だと思います」と、スローガン「横浜一心」を体現したゲームを喜んだ。
月が変わって最初のゲームに快勝し、「今日の流れに乗って、皆で勝っていきたい」とトーンも明るく宣言した三浦監督。投打が噛み合いだしたベイスターズに、逆襲の気運が高まってきた。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)