左打者3人をピシャリ
中日が敵地で巨人に2連勝。
首位・阪神との3連戦に続いて、上位チームを相手にカード勝ち越しを決めた。
この日は中日が一時7-0とリードを奪うも、巨人の反撃にあって6回裏に4失点。
7回裏には谷元圭介が好調ゼラス・ウィーラーに2ランを浴び、7-6と1点差まで迫られてしまう。
楽勝ムードが一転、嫌な雰囲気になりかかった中、それを断ち切ったのが4番手で登場した又吉克樹だった。
8回裏、巨人は左の大城卓三からはじまる打順。9番には途中出場のベテラン・亀井善行、その後はトップの梶谷隆幸に回るという左が続く打順だったが、ベンチは変則右腕をマウンドへ。
すると、大城はインハイに食い込むカットボールで二飛に仕留め、亀井は147キロの速球で左飛。梶谷もインハイのカットボールで空振り三振に斬り、完璧投球で反撃ムードをシャットアウト。
又吉の投球が流れを呼び込んだか、中日打線は9回にチャンスをつくり、大島洋平がダメ押しの2点適時打。9-6で打ち合いを制した中日が2連勝。敵地でカード勝ち越しを決めた。
1日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の立浪和義氏は、この試合のポイントに「又吉克樹の快投」を挙げる。
「1点差の8回、左が3人続くなかでの又吉。以前までは左によく打たれていたんですが、今年は対左の被打率が.111(18-2)なんですよね。まっすぐのような軌道で少し曲がってくるカットボール。これを覚えたことによって、右左関係なしに使えるようになりましたよね」と、プロ8年目・30歳の進化を支える“魔球”について解説。
つづけて、「速くて変化が小さくて食い込んでくるボール、これが得意な選手っていませんよね」と自身の経験も踏まえて振り返り、「これはすごい武器になりますね」と絶賛した。
また、かつてはバッテリーを組み、その後は監督と選手という関係でともに戦ったこともある谷繁元信氏も、「かなり悩んだ、苦労した時期もあったと思いますが、やっと良いボールを掴んだなと。今のポジションを勝ち取ろうとしているなと思いますね。期待しています」とエール。
ここまで15試合の登板で12ホールド、防御率は0.68。今や竜の必勝パターンに欠かせない存在となりつつある右腕の今後から、目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』