◆ 初の「4番・三塁」で5打点の大暴れ
阪神が広島戦5連勝で貯金を今季最多タイの「12」に増やした。プロ入り後初めて「4番・三塁」で先発出場したドラフト1位の佐藤輝明内野手は、プロ入り初となる満塁本塁打を含む自己最多の1試合5打点を記録。自慢の打棒でチームを勝利に導いた。
佐藤輝は相手先発・野村祐輔の前に2打席目まで凡退が続いていたものの、2点ビハインドの5回無死満塁の絶好機で、カウント2-2から低めのチェンジアップを泳ぎながらも右翼ポール際へ運び、これが決勝の8号逆転満塁ホームランとなった。
続く6回の第4打席も満塁のチャンスで3番手・コルニエルから左前適時打を放ち、この日は5打数2安打5打点の活躍。公式戦初となる三塁守備でも、8回に三塁線を襲うゴロを倒れ込みながら素早く処理。改めて適応能力の高さを披露した。
佐藤輝の打撃について、2日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に電話出演した解説者の谷沢健一氏は「(バットを)大上段に構えているでしょ。でも意外とシンプルなんですよ。ここからテイクバックをとるとかそういう動作を要さないから、“振り下ろせばいい”というシンプルさがある」とゴールデンルーキーの打撃フォームを分析。
公称187センチ・94キロの体格に秘められたパワーに視線が行きがちだが、「最初はチェンジアップにやられたけど、だんだん球種に慣れたり、配球を読んだり、反対方向に打ち返したり。柔軟性のある膝で調節しているんですよね。非凡な面がフォームに現れている」と、豪快な打撃にも垣間見える対応力を高く評価した。
30試合を終えたところで111打数28安打の打率.252。8本塁打と24打点はともにチーム内で単独トップと、球界に衝撃を与えている大型新人。この日は主砲・大山悠輔の“積極的休養”という事情もあって「4番」で起用されたが、猛虎打線のクリーンナップに定着する日もそう遠くないかもしれない。