猛威をふるった「対左のカット」
DeNAが接戦を制して3連勝。
5月は未だ無敗と、出遅れた番長ベイスターズが息を吹き返しつつある。
この日チームに新たな光明をもたらしたのが、先発した来日2年目のマイケル・ピープルズだ。
昨季は10試合に登板も2勝2敗、防御率は4.97という物足りない成績に終わった196センチの長身右腕。
今季も来日が遅れて5月3日がようやくの“開幕”となったのだが、大事な今季初戦で見事な投球を見せる。
3回までの打者一巡を1安打に封じる好スタートを切ると、1-0で迎えた4回裏は先頭の髙松渡を味方の失策で出す嫌な展開も、一死から牽制で刺すビッグプレー。
二死後に安打を許すも、後続を打ち取って無失点を継続すると、5回も先頭の木下拓哉に2打席連続の安打を浴び、犠打で一死二塁のピンチを迎えたが、根尾昂と代打・井領雅貴をしっかりと打ち取りゼロを並べていく。
佐野恵太の一発で2-0とリードが広がった直後、6回裏もマウンドに向かったピープルズ。
先頭の大島洋平に安打を許し、これで3イニング連続の先頭出塁を許したが、ここも後続を3人斬り。中日打線に付け入るスキを与えず、この日はお役御免。
今季初登板で6回92球、被安打4、無四球・5奪三振で無失点という快投。首脳陣の期待に応えて見せた。
その後は追加点を奪えず、8回に山﨑康晃が1点を失ったものの、2-1の9回はクローザーの三嶋一輝が2つの三振を奪って三者凡退。
パーフェクトリリーフでリードを守り、DeNAが2-1で勝利。今季初の3連勝を挙げた。
この日のピープルズの投球について、球団のレジェンドOB・平松政次氏は「今年はかなりやれる」と太鼓判を押す。
「昨年そんなに良いピッチングはしていなかったんだけれども、今年はとにかくボールがキレているし、コントロールが良い」と、2年目の“変わり身”に驚き。
また、特徴として「左打者に対してのカットボール」を挙げ、「これが今年は武器になるんじゃないかなと。きょうは左バッターが非常に苦しんでいましたね」と、内に食い込む変化球を快投の要因に挙げた。
苦しい3・4月を送ったチームの中で、特に先発陣は離脱者や不振の選手が相次いでいる部分。
“救世主候補”の登場に、「(チームにとって)ありがたい存在ですよ。先発に入ってくる」と平松氏。「この投球をしていれば、今年はかなりやれる」と、来日2年目のブレイクに期待を寄せた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』