レジェンドも絶賛「将来がたのしみ」
オリックスが敵地で西武を撃破。
これで西武に代わって4位に浮上。今季の成績を13勝14敗6分とし、勝率5割復帰に王手をかけた。
この日の先発は、急性胃腸炎からの復帰戦となる2年目左腕・宮城大弥。
4月18日以来のマウンドとなったが、この日も19歳らしからぬ落ち着いたマウンドさばきで西武打線を翻弄。
5回までわずか1安打、無失点という快投を見せる。
すると打線は6回、宮城をリードしてきた女房役の頓宮裕真が右中間に叩き込む3ラン。
ひと振りで先制点をもたらし、試合の均衡を破る。
援護を受けた宮城は6回裏も三人斬り。球数も71球と完封ペースで投げ進めたが、7回に試練が訪れる。
先頭の四球と安打でピンチを招くと、一死からベテランの栗山巧にライトへ運ばれる安打。これが適時打となって1点を失う。
さらにコーリー・スパンジェンバーグにもライトへの適時打を許し、味方の送球ミスもあって一死二・三塁。一打逆転という場面で愛斗には死球。満塁となってしまう。
それでも、このピンチで呉念庭を空振りの三振。3球目のレフト線への打球を巡り、判定ファウルに西武側がリプレイ検証を要求するシーンもあったが、判定は覆らず。
少し間が空いての試合再開も集中を切らすことなくアウトを奪うと、二死満塁としたところでベンチは継投を決断。経験豊富なベテラン・比嘉幹貴に託す。
対するは売り出し中の山田遥楓。フルカウントまで持ち込まれるも、最後は遊ゴロに打ち取ってピンチ脱出。リードを死守し、宮城の勝利の権利も守った。
すると直後の8回表、オリックスは宗佑磨の走本で3点を追加。裏に1点を返されるも、最後は漆原大晟が締めて6-3の快勝。
チームは2連勝で4位に浮上。借金を「1」まで減らし、先発・宮城に4月4日以来となる3勝目がついた。
病み上がりのマウンドながら、6回2/3を投げて被安打4、与四死は3、三振を5つ奪って2失点。堂々たるピッチングで勝利の立役者となった19歳左腕。
離脱前と変わらぬ落ち着き払ったマウンドさばきについて、解説者も驚きの声を漏らす。
3日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した通算201勝のレジェンド・平松政次氏は「堂々としてます。19歳ね…将来が楽しみ」と絶賛。
内容についても、「投げ方は文句ない。軽く投げてボールはキレる。変化球も良いものを持っていますよね」とし、「コントロールが良いから大幅に乱れない。ベンチの期待通りの投球をしてくれると思いますよ」と、今後の活躍にも期待を寄せた。
また、同じく解説者の片岡篤史氏も、「器用ですよね」とコメント。
つづけて「左で背丈はないんですけど、今年は遅いボールを有効に使っていて、ストレートは147~148キロでもバッターはもっと速く感じると思います」と特徴を挙げつつ、「それと右バッターのインコースに食い込んでくる“角度”ですよね。あれは持って生まれた素晴らしいもの。それからインタビューを見ても分かりますけど、“動じない”という部分が一番の強みだと思います」と、その魅力を分析した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』