リベンジ成功も…8回は「気の緩み」?
西武がオリックスに6-2で勝って5月初勝利。
投げては先発・今井達也が8回途中2失点の力投。打っても打線が難敵・山本由伸に10安打を浴びせるなど、11安打で6得点と投打が噛み合った。
両先発はともに1998年生まれの“同級生対決”。
特に今井は今年4月21日の対戦で山本に投げ負けているだけに、「今日は絶対に由伸より先にマウンドを降りたくない気持ちだった」と気合十分。
集中した投球で5回まで無四球の無失点ピッチ。7回まで1失点という見事な投球を披露する。
ところが、好敵手がマウンドを降りた直後の8回表に突然の乱調。
四球3つで満塁とすると、4番・杉本裕太郎に対しての2球目はワンバウンドの暴投。1点を献上してしまう。
それでも、杉本は三振に斬って取り、二死二・三塁となったところで降板。後を受けた平良海馬が三振で火消しに成功し、この日は8回を投げて124球、6安打で4四球、5奪三振・2失点という内容となった。
同級生のライバルを相手に、闘志あふれる投球でリベンジを果たした今井。
この日のピッチングについて、5日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の齊藤明雄氏は、「前回負けているということで、集中力がありましたよね。5回まで低めを丁寧に投げていました」とコメント。
火花バチバチの対決の中でも力むことなく、丁寧な投球が展開できていたことを勝因に挙げた一方で、「山本がマウンドを降りてからはちょっと力が抜けたのか、気が緩んだ感じになりましたよね」と注文も。「(前半は)叩きつける投球なんかめったになかったので、それが急に出たというのは気の緩みだと思いますね」と、8回の乱調についても言及した。
エースはつらいよ…?
一方、今井の“標的”となった山本由伸は立ち上がりから苦しい投球を強いられた。
初回、いきなりルーキーの若林楽人に二塁打を浴びると、連続三振から四球を挟み、ベテラン・栗山巧に適時打。先制点を与えてしまうと、3回と5回には中村剛也に連続てきじだを浴びて3失点。
味方に1点を返してもらうも、7回裏に源田壮亮に適時打を浴びてイニング途中で降板。代わったK-鈴木が森友哉に2ランを浴びたため、この日は6回と1/3を投げて5失点(自責4)。3敗目を喫した。
同じくCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の解説者の高木豊氏は、オリックス・山本由伸の「苦悩」について解説する。
自己ワーストの被安打10と打ち込まれたオリのエースについて、その原因は「疲れでしょうね」とズバリ。
「今井も言うように、山本は目標にされるピッチャー。他のピッチャーたちから『このピッチャーには負けたくない』と。そういった部分の疲れも感じながら投げていると思う」と、単純な疲労に加え、気合みなぎる相手と投げ合わなければならないメンタル的な疲弊についても解説。
つづけて、「この前も則本と0-0の投げ合い。そういった疲れが残っているはずなんですよね。それは打たれることもある」と、エースならではの“厳しさ”について語った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』