上位4人だけじゃない!
12球団トップの180得点を挙げるロッテ攻撃陣。1番・荻野貴司は打率.297、リーグトップの29得点、13二塁打、2番・マーティンはリーグトップの10本塁打、3番・中村奨吾はリーグトップの5犠飛、13二塁打、4番・安田尚憲はリーグトップタイの30打点を挙げる。マリーンズの攻撃陣は、上位を打つ4人で得点を奪うことが多かったが、5月1日の楽天戦から5番・角中勝也、6番・レアードが固定され、さらに厚みが出てきた。
角中は開幕当初、代打で出場することが多かったが、4月24日のソフトバンク戦以降は出場した試合は全て先発だ。4月29日の西武戦から4試合連続で複数安打をマークし、現在の打率は.333で、5月の打率は.318だ。
4番・安田の後を打つ角中だが、安田を還すポイントゲッターというよりも、安打や四球でチャンスを広げて、次の打者に繋いでいく印象が強い。『5番・指名打者』で出場した4月29日の西武戦では、マーティンの2ランで先制し、なお一死一塁で迎えた第1打席にきっちりと四球を選び、続く井上晴哉、高部瑛斗の連続適時打で得点に繋げた。
6番・レアードは本塁打、打点月間トップ
中村、安田、角中が出塁することで得点圏に走者を置いて、6番・レアードに打席が回り、その走者を還すという攻撃も増えてきている。
2日の楽天戦は1-4の6回一死走者なしから3番・中村が四球、4番・安田が右安で一、二塁とし、5番・角中がセンターへ適時打、なお一、二塁と好機で6番・レアードが先発・早川隆久からレフトへ一時逆転となる3ラン。
7日のオリックス戦では5-4の7回に一死走者なしから中村、角中の四球で二死一、二塁となり、6番・レアードが試合を決定づける2点適時二塁打。さらに8-8で引き分けた12日のソフトバンク戦も、一挙6得点を奪った0-3の5回に先頭の安田、角中の連打の後、6番・レアードが同点3ランを放った。
レアードは5月に入ってから打撃好調で、ここまで打率.304、4本塁打、11打点をマークする。本塁打と打点はリーグトップの成績だ。
カギとなる7番打者の存在
角中、レアードの状態が上がってきたことで、その後を打つ7番打者もより重要になってくる。
5月に入ってから井上晴哉が4試合、山口航輝が2試合、エチェバリアが1試合7番で出場している。井上は5月の月間打率.188ではあるが、打点はチーム2位タイの5打点を挙げ、5月の得点圏打率は.333だ。
7日のオリックス戦では2-0の4回に角中の安打、レアードの死球で一、二塁とし、7番・井上がホームランラグーンに飛び込む3ランで得点を挙げた。上位4人が出塁していない状況でも、5番・角中がチャンスメーカーとなり、6番・レアード、7番・井上で還すという攻撃が増えれば、得点パターン、攻撃の幅はさらに広がる。
昨季は貧打に喘いだ打線だったが、リーグ2位となる642得点を挙げた2019年のような攻撃力が戻ってきた。足を絡めた攻撃もでき、シーズン通して得点力を維持できれば、他球団の投手陣も嫌がる攻撃陣になるだろう。
文=岩下雄太