主砲にリベンジ!
3.5ゲーム差の首位攻防戦となった“伝統の一戦”──。
首位・阪神は敵地で逆転勝利を挙げ、幸先よくカード頭を取った。
3回に1点を先制されるも、直後の4回表に一死からジェフリー・マルテが右中間スタンドに叩き込む豪快な一発を放ってすぐさま同点に。
さらに4番の佐藤輝明がセンターのフェンスに直撃する二塁打でチャンスを作ると、ジェリー・サンズの安打で一死一・三塁。
ロハス・ジュニアが空振り三振に倒れて二死となるも、チャンスに強い梅野隆太郎が詰まりながらもセンター前に運ぶ適時打でこの回2点目。試合をひっくり返した。
援護を受けた先発の青柳晃洋は、4回に安打を1本浴びながら無失点で切り抜けると、5回・6回・7回は3イニング連続の三者凡退。見事なピッチングで最少のリードを守る。
8回からは継投に入り、岩崎優からロベルト・スアレスの必勝継投。岩崎は四球をひとつ出すも無失点で締め、スアレスは先頭の安打から一死二塁のピンチを迎えたが、後続を斬って2-1の逃げ切り。首位・阪神が巨人に競り勝ち、ゲーム差を「4.5」に拡げた。
この試合で存在感を放ったのが、「7番・捕手」でスタメン出場した梅野隆太郎。4回に勝ち越しの適時打を放ったのはもちろんのこと、捕手としても青柳を見事にリードして巨人打線を1点に封じ込めた。
14日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の大矢明彦氏も、“元捕手”の目線から梅野の凄さを解説している。
まず守りでは、「岡本和真への対策」をこの試合のカギに挙げ、前回の対決で2本塁打を浴びた“主砲封じ”に注目。その中で犠飛こそ浴びたものの、3度の対戦で1本の安打も許さず、「きょうは打ち取るのはアウトコースの変化球というのをバッテリーである程度決めていたんじゃないですかね」と、徹底した攻め方に好印象を口にする。
つづけて、「とにかく打たせない!という想いで攻め込んでいた。バッテリーでマークした通りに抑えることができたんじゃないかなと思いますね」と、前回のリベンジを果たしたリードを讃えた。
また、適時打の場面についても、「ほとんど外一辺倒でフルカウントまで行ったんですが、最後の最後にインサイドの真っすぐを詰まりながらもタイムリー。なかなかインサイドに張れないですよ」と語り、「これだけ外を攻められると、『もし自分がキャッチャーやっていたら最後はインサイドで勝負してやろう』という、そんな読みがあったんじゃないかと思いますね」と解説。
「捕手じゃないと打てないようなタイムリーだなと思います」と付け加え、この日は打席での“読み”も冴えていたと語った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』