エース級と対戦続く
25日から『日本生命セ・パ交流戦2021』が始まるということもあり、今週が交流戦前最後のパ・リーグ同士の戦いとなる。良い形で交流戦に突入したい3位のロッテは、今週はオリックスと京セラD大阪で2連戦を戦ったあと、21日からホームで楽天との3連戦。
ただ、この5試合、オリックス、楽天ともに“エース級”の投手との対戦が予想される。オリックス、楽天ともにローテーション通りにくれば、オリックスとの初戦は防御率リーグトップの宮城大弥、2戦目がリーグ最多の54奪三振をマークする山本由伸との対戦が濃厚だ。
さらに、金曜日からの楽天戦は初戦が昨季から3連敗中の涌井秀章、2戦目が5月1日の対戦で6回を無失点に抑えられた田中将大、3戦目が16日のオリックス戦でプロ初完封勝利を挙げ、リーグトップの5勝をマークする早川隆久と、対戦する可能性が非常に高い。
宮城、山本、涌井、田中、早川。12球団トップの190得点を挙げる打線に期待したいところだが、エース級との対戦となり、そう簡単には得点を見込めない。できるだけ球数を投げさせて、リリーフを投入させる展開に持ち込みたいところだ。
4月18日のオリックス戦では、先発・宮城の前に7回途中1失点に抑え込まれるも、1-2の9回に2点を奪い逆転勝ち。引き分けたが、14日の西武戦も2-4の9回にレアードが、ギャレットから値千金の同点2ランを放ったという試合もあった。
先発陣を打ち崩して、そのまま逃げ切るという形が理想的であることは間違いないが、1点、2点のビハインドであれば、12球団トップの得点数を誇る打線。逆転勝利、引き分けに持ち込むだけの力をつけてきている。
投手陣の頑張りがカギ
そう考えると、投手陣はできるだけ最少失点で抑えていきたい。先発陣は今季ここまで41試合を消化して、クオリティ・スタート(6回3自責点以内)は19度。5イニングを投げきれなかったのは4月24日のソフトバンク戦で4回1/3を投げて6失点で降板した美馬学と、5月2日の楽天戦で4回2/3を投げて4失点でマウンドを降りた鈴木昭汰の2人だけだ。
先週は二木康太が11日のソフトバンク戦で6回1失点に抑え勝利投手となり、美馬は敗戦投手になったものの、7回2/3を投げ3失点で、二木と美馬がQSを達成した。石川歩は4点を失ったものの6回を投げ、岩下大輝は5回を投げ3失点、佐々木朗希は5回を4失点だった。
今年は9回で打ち切りということもあり、先発陣を引っ張るというよりも、100球前後で降板させ、リリーフ陣に託すケースが多い。
昨季は6回終了時点でリードした試合は44勝3敗1分という数字が示すように、7回以降は強固なリリーフ陣で逃げ切ることが多かった。今季は勝ちゲームをリリーフ陣が追いつかれ引き分け、逆転負けという試合もあるが、ここまで6回終了時点でリードした試合は14勝3敗3分。
現在6回終了した時点でリードした試合は、引き分けを挟んで7連勝中だ。12日のソフトバンク戦で6-3の7回から登板したハーマンが5失点、16日の西武戦では6-4の8回から登板した唐川侑己が2失点と、いずれもセットアッパーが打たれて引き分けた試合だが、開幕の頃に比べてハーマン、唐川、益田直也の“勝利の方程式”で逃げ切る試合は増えた。
1位・楽天から最下位・日本ハムまで5.5差。混戦が続くパ・リーグで、大型連敗はなんとしても避けたい。今週の5試合に勝ち越して、弾みをつけて交流戦に突入したいところだ。
文=岩下雄太