勝負強さが光る
4月終了時点で打率.250、2本塁打、8打点だったロッテのレアードだが、5月は打撃好調だ。
3、4月のマリーンズの攻撃陣は、1番・荻野貴司、2番・マーティン、3番・中村奨吾、4番・安田尚憲の上位打線4人が得点パターンとなっていたが、5月に入ってからレアードの状態が上向き、ポイントゲッターとして機能している。
5月2日の楽天戦では1-4の6回に角中勝也の適時打で1点を返し、なお一死一、二塁の好機でレアードが、先発・早川隆久からレフトへ一時逆転となる3ランを放てば、5月14日の西武戦では2-4の9回一死二塁の場面で、ギャレットから値千金の同点2ラン。敗れてはしまったが、5月21日の楽天戦でも1-6の6回一死一、二塁で、涌井秀章からレフトへ3ランと、5月のレアードは“ここぞ”という場面で一発を放っている。
自身3度目の月間MVPなるか?
5月の月間成績を見ても8本塁打、18打点はリーグトップで、得点圏打率も「.429」を誇る。3、4月の得点圏打率が「.143」だったことを考えると、5月はかなり勝負強い打撃を見せていると言えるだろう。特に4番を打つ安田は3、4月の打点が「29」だったが、5月は4打点とチャンスで一本が出ないなかで、安田をカバーする活躍を見せている。
レアードの来日後の5月の成績を振り返っても、日本ハム時代の16年には打率.326、12本塁打、21打点、翌17年が打率.333、10本塁打、27打点の成績を残し、2年連続で5月の月間MVPを受賞。5月の通算成績は、打率.265、49本塁打、110打点という成績を残している。NPB通算打率が「.242」であることを考えると、5月の好成績ぶりがうかがえる。
この好調ぶりを見ると、自身3度目の5月月間MVP獲得にも期待が膨らむところ。
先週まではパ・リーグの球団との対戦だったが、25日から2年ぶりにセ・パ交流戦が開催される。5月中のマリーンズの交流戦の対戦球団は、25日〜27日にかけて敵地・甲子園でセ・リーグ首位の阪神と3連戦、28日〜30日はZOZOマリンスタジアムに戻って広島と3連戦となる。対戦投手、球場など当時の状況と異なるため全く参考にはならないが、19年の交流戦では阪神戦が打率.300(10打数3安打)、広島戦が打率.182だった。
マリーンズは現在首位・ソフトバンクに3ゲーム差の3位にいるが、首位から5位のオリックスまで5.5ゲーム差と混戦だ。上位球団と少しでもゲーム差を縮めるためにも、交流戦では一つでも白星を多く手にしたい。そのためにも、レアードには1本でも多く“幕張寿司”を握って欲しいところ。レアードが交流戦で“幕張寿司”を量産すれば、自身3度目となる5月の月間MVP、さらには交流戦の勝ち越し、首位浮上も見えてくる。
▼ レアードの年度別5月の成績
15年:27試 率.163(98-16)本4 点13
16年:23試 率.326(86-28)本12 点21 ☆
17年:23試 率.333(81-27)本10 点27 ☆
18年:19試 率.254(71-18)本6 点11
19年:25試 率.247(97-24)本9 点20
20年:試合なし
21年:15試 率.296(54-16)本8 点18
※成績は2021年5月23日終了時点
☆は月間MVP
文=岩下雄太