開幕から2カ月、頼れる男の帰還
交流戦に強いソフトバンクがまさかの連敗発進。
26日の試合は終盤に追いつき追い越すか…という場面も作ったが、最後は一発による失点が重くのしかかって1点差の敗戦となった。
その中で差し込んだ光明と言えば、開幕から2カ月が経ってようやく今季初登板を果たした東浜巨の投球だろう。
右肩の不調によりキャンプで出遅れ、十分な調整を行うことができず、ようやく迎えた2021年最初の一軍マウンド。
26日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、右腕の久々のピッチングはこの試合の注目ポイントとして取り上げられた。
解説者の江本孟紀氏が「立ち上がりからストレートも走っていて、コントロールも良かった」と語るように、初回は二死から福田永将を相手に150キロを計測するなど、肩の不安を感じさせない力強いボールを投げ込んで行く。
4つのゼロを並べて迎えた5回裏。一死から高橋周平に内野安打を許すと、つづく阿部寿樹にはフルカウントから甘く入った変化球を完ぺきに弾き返され、レフトへの適時二塁打。1-1と試合を振り出しに戻されてしまう。
さらに6回、先頭の大島洋平にいきなり三塁打を浴びてピンチを招くと、そこから三ツ俣大樹・福田永将を連続三振に斬りながら、4番のダヤン・ビシエドに対しては初球の変化球が甘く入り、ライトへ運ばれる適時打。
これで1-2と逆転を許すと、そこから高橋の安打と阿部の四球で満塁。木下拓哉には追い込みながらも外の変化球をうまく拾われ、打球はセンターの前にポトリ。3点目を失ったところでマウンドを降りた。
残った満塁のピンチは嘉弥真新也がしのぎ、この日は5回2/3を投げて97球、被安打が7の与四死が2、6奪三振で3失点という内容。その後、チームが一旦追いついたため、黒星はつかなかった。
江本氏は上述の通り序盤の投球については一定の評価を与えつつ、「4回・5回くらいから急に変化球が多くなりましたよね。浮いてきた変化球を打たれてしまった感じで、もっと真っすぐで押しても良かったのかなと」とコメント。
それでも、今後に向けては「悪くなかったと思います。十分にローテーションに入ってくる内容」と、ようやく踏み出すことができた今季の第一歩に合格点を与えた。
開幕から離脱者の多かったソフトバンク先発陣だけに、東浜にはこれから軸としての奮闘が期待される。2017年の最多勝右腕は完全復活した姿を見せることができるだろうか。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』