「更新のチャンスが来ると思う」

　中日が日本ハムとの点の取り合いを制して交流戦トップタイの3勝目。

　この日は3番でスタメン出場した44歳・福留孝介が大暴れを見せた。




　このカードはパ・リーグ主催試合で指名打者制が使えるということもあり、2試合続けてスターティング・ラインナップに名を連ねた大ベテラン。

　まず初回、一死三塁のチャンスで打席が回ってくると、ドリュー・バーヘイゲンに対して追い込まれながらも変化球を逆らわずに弾き返すレフトへの安打。三塁走者・大島洋平を還す先制の適時打を放ってみせる。

　さらに1－2と逆転された直後の4回は一死走者なしで初球を引っ張り、ライトへ運んで2打席連続の安打。3－2と逆転した後の6回、無死三塁のチャンスではセンターへの二塁打を放ち、3本目の安打も打点付き。4－2とリードを拡大する貴重な一打を放った。



　チームはその裏、谷元圭介が王柏融に2点適時打を浴びて4－4の同点とされてしまうものの、やはり頼りになるのは福留のバット。

　同点の8回、先頭で打席に入ると、この回から登場のブライアン・ロドリゲスにも対応を見せてライトへの安打。驚異の4打数4安打でこの日はお役御免。代走の切り札・髙松渡と入れ替わると、つづくダヤン・ビシエドがセンターへの二塁打。髙松が快足を飛ばして一気に生還し、5－4と勝ち越しに成功する。

　その後二死となるも、木下拓哉が敬遠で歩いた直後、8番の三ツ俣大樹が引き付けて見事な右打ち。前進守備の頭を越える値千金の2点適時二塁打で、7－4とリードを拡大。終盤は祖父江大輔から又吉克樹につなぐリレーで締め、中日が敵地で白星を掴んだ。


　快勝のなかで際立ったのは、やはり大ベテラン・福留孝介の大暴れだろう。

　29日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の大矢明彦氏は、「44歳でまだこうやって頑張っているというのは本当にすごいですよね」と絶賛。

　つづけて、「中日はなかなか点が取れないという中で、ベテランが頑張ってくれましたね」と、頼れる44歳の活躍ぶりを讃えた。


　また、44歳シーズンの1試合4安打というと、この日の同番組に出演した谷繁元信氏以来の記録。

　記録については「知らなかったです。きょう聞いて、そういえば打ったなと…」と振り返りつつ、「僕は44歳と4カ月くらいだったので、（福留）孝介は1カ月ということでね。まだ今シーズン記録更新するチャンスは来ると思うので、更新してもらえるくらい頑張ってほしいですよね」と、かつての同僚にエールも。

　チームはこの日の勝利で順位も4位に復帰。交流戦をきっかけに、2年連続のAクラス入りへ弾みをつけたいところ。今後も中日から目が離せない。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』