今季初昇格
ロッテの成田翔が5日、今季初の一軍昇格を果たした。
成田はここまでファームで、19試合に登板し、3勝1敗1セーブ、防御率1.08と抜群の安定感を誇り、5月21日の日本ハム戦から現在5試合連続無失点中だ。
肘をやや下げたフォームに変更し、左打者のインコースにストレートと同じ球速帯のシュート、アウトコースにスライダー、右打者のアウトコースにシュートを投げ分け、ファームで左打者の被打率が.094(32-3)、右打者の被打率が.130(23-3)と抑え込む。
成田は、4月下旬に行ったオンライン取材で「左のインコースにシュートもしっかり投げられていますし、シュートとスライダーのコントロールを思うようにできている。継続してやっていくだけだなと思っています」」と手応えを掴んでいた。
ファームで結果を残し続ける
今季は開幕からファームで結果を残しながらも、なかなか一軍から声がかからなかった。特に今季初登板となった3月23日の日本ハムとの二軍戦で、難波侑平に一塁ベースに当たる二塁打を打たれてから、4月25日の西武との二軍戦で長谷川信哉にレフトへサヨナラ打を打たれるまで打者28人に対し1本も安打を許さないというときもあった。
「一軍で投げなきゃ始まらないと思っているので、そのためにしっかり下で結果を残していきたいと思っています」と、来るべきときに備えファームでアピールを続け、ようやく一軍昇格の切符をつかんだ。これまでも19年に51試合に登板し、防御率2.82をマークするなど、ファームで安定した成績を残し続けてきた。あとは、一軍で結果を残すだけ。成田本人も「チャンスがきたらモノにするだけだなと思います」と自覚する。
現在マリーンズの左のリリーフは、ロングリリーフを担当する中村稔弥のみ。結果を残し続ければ、一軍で居場所を作ることができる。ファームでは1イニングを投げるだけでなく、左のワンポイント、イニングまたぎ、走者を背負った場面での登板など経験を積んできた。巡ってきたこのチャンスをつかみ取れ。
▼ 成田の今季ファームの成績
左打者:被打率.094(32-3) 振8 四死6
右打者:被打率.130(23-3) 振6 四死3
文=岩下雄太