安打数と打点でリーグトップの成績
オリックスの吉田正尚選手が9日、パ・リーグ打撃部門の5月度「大樹生命月間MVP賞」を受賞した。
5月の吉田は、23試合に出場し、打率.382、6本塁打、24打点、出塁率.434、長打率.663、OPS1.097、得点圏打率.545の大活躍。三振は僅か4つと好調をキープし、目下のところ打率.338でパ・リーグの首位打者争いを大きくリードしている。
吉田は今回の受賞について、「素直に嬉しく思います」と語ると、得点圏打率が高いことについては、「打点はチームにとっても非常にいいことなので、1点でも多く取れたらいいなと思っていたので嬉しいです」と笑顔。「良いとき、悪いときあるんですけど、コンディショニングをしっかり整えて、その日のベストを尽くすことだけを考えてやってます」と、好調の理由を口にした。
三振が少ないことに関しては、「追い込まれたらしっかり逆方向に入って、それを積み重ねてやっているだけなので、あまりそこは意識してない」とコメント。その一方で、2ストライクからヒットが多いことについて問われると、「昨年も2ストライクから3割超えていて、そこは今年も継続してやっていきたい」と意欲を見せた。
さらに、「追い込まれてから打てるというのは、相手のウイニングショットだったり、良い球も打っていかなきゃいけないので、そこの見極めだったり、何とか食らいついてカウントを有利に持っていけるように…」と続け、「3-2ではあまり打ててないんですけど、そういうカウントには持っていけているので、カウント勝負で自分の有利に持っていければ、率も少しは良くなってくるのかなと思います」と、さらなる高みを見据える。
また、打席でのアプローチについても言及。「毎打席打ちたいですけど、スタートの1打席目と最終打席は、昨年から引き続き大事にしていて、そういう意味では1打席目の1球目などはしっかり(意識している)。5月はそれで何発かホームランも出ました。やっぱりチームを勢いづけられる1打席目は、初回に回って来る3番という場所なので」と語り、自身が果たすべき役割も自覚している。
交流戦に入り好調なチームに関しては、「1点でも多く点を取るというのは、チームでも心がけていますし、粘ってピッチャーに球数を投げさせて、先に点を取られても逆転するという一体感は出ていると思う」と分析。「みんなが繋いで繋いで、どこからでも点が取れる雰囲気がある」との言葉通り、8日の巨人戦でも2点ビハインドの8回に打線が粘りを見せて一時は逆転する展開に持ち込んだ。
「まだまだ上位を狙える位置にいるので、必死に食らいついて、パ・リーグとの試合を良い順位で迎えられるように、あと2カード交流戦を頑張ります」と意気込んだ吉田正は、最後に今シーズンの目標を聞かれると、「怪我なくしっかり戦い抜いて、数字は後からついてくると思うので、チーム、個人で1番を目指してやっていきたい」とコメント。頼れる主砲の存在が、粘り強い猛牛打線の礎となっていることは間違いない。
取材・文=どら増田