DeNAにトレード
14日、ロッテの有吉優樹とDeNAの国吉佑樹の交換トレードが成立した。
1年目の17年は開幕から投打が噛み合わずチームは黒星が先行していくなか、有吉はリリーフで53試合に登板して、2勝5敗16ホールド1セーブ、防御率2.87の成績を残し、2年目の18年は2年目の18年が先発、リリーフの両方をこなし6勝を挙げる活躍を見せた。19年は先発ローテーションの一角として期待されたなか、同年4月に『右肘鏡視下関節クリーニング手術』を受け、一軍の登板はわずか2試合にとどまった。19年10月9日のフェニックス・リーグのハンファ戦で実戦復帰し、20年7月7日の西武戦では6回を2失点に抑え、2018年8月28日のソフトバンク戦以来の白星を手にした。
有吉はロッテ球団を通じて「風の強い日でした。ただ、あの試合は無観客だったので、もう一度、ファンの皆様の前で勝ちたかったことです」 と一番の思い出の試合に昨年7月7日の西武戦を挙げた。
今季はここまで一軍の登板はないが、5月13日のDeNAとの二軍戦で6回を1安打1失点に抑えるなど、ファームで8試合に登板して、2勝3敗、防御率3.77の成績を残している。
社会人時代は営業マン
ロッテからDeNAに移籍する有吉は、千葉県出身で東金高、東京情報大、九州三菱自動車を経て、2016年ドラフト5位で入団。社会人時代は顧客300人を持つ営業マンで、大会前でも「お客様から連絡があったら練習に来られなかったりということはありました。大会前日でも2、3人練習に来られないということもありましたね」という経歴を持つ。
25歳でプロ入りした当時、小川泰弘(ヤクルト)、則本昂大(楽天)、浅村栄斗(西武→楽天)、西野勇士(ロッテ)といった同じ90年世代の選手たちは、プロの第一線で活躍。入団当時有吉は「則本君はジャパンに入って、プロ1年目から開幕投手を務めていて、僕もはやくああいう舞台に立ちたいと思っていた」という思いを持ってプロの世界に飛び込んだ。
先発とリリーフの両方をこなす
有吉は1年目の17年がリリーフ、2年目の18年が先発とリリーフを両方こなし、今季もファームで先発6試合、リリーフで2試合投げている。先発とリリーフの両方をこなせる貴重な存在だ。
シーズン途中にリリーフから先発に転向した18年10月の取材で、先発とリリーフの違いについて気持ちの持ち方、調整の難しさについては特に変わらないと話しており、「1イニング、1イニングを積み重ねて投げようという感じでした」と明かしている。
また、19年の4月には、ドラフト同期入団の種市篤暉が「(キャッチボールをするなかで)スライダーが捕りにくいと思いましたし、できるだけ真っすぐと思われるようなスライダーを投げたいと思っていたので、有吉さんに聞きました」と後輩の種市に“有吉さんスライダー”を伝授したこともあった。
ロッテ浦和球場でのブルペンで、捕手にコースを指定し、そこにきっちりと投げ込む姿を今でも忘れられない。マリーンズでは今季一軍での登板は叶わなかったが、31イニングを投げて与えた四球はわずかに2つと、制球力の良さは健在だ。 「横浜では求められる役割をしっかりと全うしチームの勝利に貢献できるように精一杯頑張りたいと思います」。まだまだ一軍で活躍する力を持っている。新天地のベイスターズファンの前で、活躍する姿を見せて欲しい。それが、マリーンズファンへの恩返しとなるはずだ。
▼ 有吉優樹
「プロ野球選手として地元千葉でプレーをすることが出来て本当によかったです。マリンの応援は本当に凄くていつもファンの皆様の応援に助けられていました。一番の思い出は昨年7月7日に2018年以来の勝ち投手になったことです。風の強い日でした。ただ、あの試合は無観客だったので、もう一度、ファンの皆様の前で勝ちたかったことです。マリーンズファンの皆様、熱い応援ありがとうございました。横浜では求められる役割をしっかりと全うしチームの勝利に貢献できるように精一杯頑張りたいと思います」
文=岩下雄太