15日、ロッテの加藤翔平と中日の加藤匠馬の交換トレードが発表された。
加藤がシーズンオフに、黙々と新シーズンに向けて練習していた姿が忘れられない。特に印象に残っているのが2019年。18年までは鈴木大地、柿沼友哉らと合同自主トレを行っていた加藤だが、自分でやることが明確にあったため、19年シーズンに向けての自主トレはロッテ浦和球場やZOZOマリンスタジアムを中心に一人で課題と向き合った。早朝7時から短距離走、体幹トレーニングで汗を流し、9時30分頃になると室内練習場で黙々とバットを振った。
「外野手は全員がライバルだと思いますけど、自分自身が一番のライバル。自分が負けたら結果が出ない。去年(2018年)はスゴく痛感した1年。他人どうこうよりも自分がしっかり、やるんだという気持ちを持ってやっています」。練習姿勢、加藤の言葉から2019年シーズンにかける強い想いがひしひしと伝わってきた。
春季キャンプ初日に行われた紅白戦でチーム唯一のマルチ安打を放つと、オープン戦でも打率.406(32-13)と好調を維持。開幕前には「シーズンで打ってこそ本当の自信になると思うので、そこはまだまだだと思うんですけど、去年(2018年)よりもいいイメージを持って打席に立てている。そこは去年(2018年)よりも自信に繋がっていると思います」と手応えをつかんでいた。
3月29日の楽天との開幕戦では『2番・右翼』で先発出場し、「昨年(2018年)9月に二軍落ちしてから約半年長かったなという思いと、半年間待った一軍の舞台だった。1打席目で結果を残せたのはよかった」と初打席でライトスタンドへ飛び込む第1号ソロを放つなど、4月11日が終了した時点で打率.356(45-16)、4本塁打、5打点の活躍を見せた。このままレギュラー定着するかと思われたが、外野のポジションをモノにできなかった。
2019年シーズン後の取材で加藤は「いろんな体の状況とか、自分の精神面の状況とかが重なってなかなかできなかったと思う。そこはなんですかね。結局は自分の責任。活躍するしないのも、全部自分の責任。そこは自分の力不足だと思います」と悔しがった。
マリーンズではあと一歩でレギュラーをつかめるというところで、何度も悔しがる姿を見てきた。その度に、試行錯誤し次のチャンスに向けて準備を続けてきた。昨季は出場機会が22試合にとどまったが、9月4日から6日にかけて行われた首位・ソフトバンクとの3連戦で、チームは3連勝し、加藤もトップバッターとして素晴らしい働きを見せた。走塁では状況判断が素晴らしく、1本の安打で1つ先の塁を陥れる積極的な走塁が光った。
何かのきっかけをつかめば、一軍で活躍できるだけのポテンシャルを持っている。マリーンズではレギュラー獲得が叶わなかったが、これまで積み重ねてきた努力は必ず次に繋がるはず。新天地となるドラゴンズはチーム打率(.240)、得点(183)はリーグワースト。外野のレギュラーは大島洋平のみという状況を考えれば、レギュラー獲得のチャンスはある。また、ドラゴンズにはかつてマリーンズで監督を務めていた伊東勤ヘッドコーチもいる。一軍の舞台で“光を放つ”加藤の“勇姿”を見せて欲しい。
▼ 加藤翔平
「ここまで9年、応援していただいたファンの皆様には本当に感謝をしています。そしてここまで支えてくださったマリーンズの皆様にも感謝の気持ちで一杯です。チームは変わりますが、今まで通り、全力プレーを心掛け、ドラゴンズの勝利のために精一杯、頑張りたいと思います。これまで応援してくださった方には頑張っているところを見ていただくことで感謝の気持ちを伝えることが出来ればと考えています。最後に自分がデビューした2013年の5月12日のイーグルス戦で初本塁打を打った時の歓声を一生、忘れません。これからも応援してくださるファンの皆様への感謝の気持ちをもってプレーします」
文=岩下雄太
加藤がシーズンオフに、黙々と新シーズンに向けて練習していた姿が忘れられない。特に印象に残っているのが2019年。18年までは鈴木大地、柿沼友哉らと合同自主トレを行っていた加藤だが、自分でやることが明確にあったため、19年シーズンに向けての自主トレはロッテ浦和球場やZOZOマリンスタジアムを中心に一人で課題と向き合った。早朝7時から短距離走、体幹トレーニングで汗を流し、9時30分頃になると室内練習場で黙々とバットを振った。
「外野手は全員がライバルだと思いますけど、自分自身が一番のライバル。自分が負けたら結果が出ない。去年(2018年)はスゴく痛感した1年。他人どうこうよりも自分がしっかり、やるんだという気持ちを持ってやっています」。練習姿勢、加藤の言葉から2019年シーズンにかける強い想いがひしひしと伝わってきた。
春季キャンプ初日に行われた紅白戦でチーム唯一のマルチ安打を放つと、オープン戦でも打率.406(32-13)と好調を維持。開幕前には「シーズンで打ってこそ本当の自信になると思うので、そこはまだまだだと思うんですけど、去年(2018年)よりもいいイメージを持って打席に立てている。そこは去年(2018年)よりも自信に繋がっていると思います」と手応えをつかんでいた。
3月29日の楽天との開幕戦では『2番・右翼』で先発出場し、「昨年(2018年)9月に二軍落ちしてから約半年長かったなという思いと、半年間待った一軍の舞台だった。1打席目で結果を残せたのはよかった」と初打席でライトスタンドへ飛び込む第1号ソロを放つなど、4月11日が終了した時点で打率.356(45-16)、4本塁打、5打点の活躍を見せた。このままレギュラー定着するかと思われたが、外野のポジションをモノにできなかった。
2019年シーズン後の取材で加藤は「いろんな体の状況とか、自分の精神面の状況とかが重なってなかなかできなかったと思う。そこはなんですかね。結局は自分の責任。活躍するしないのも、全部自分の責任。そこは自分の力不足だと思います」と悔しがった。
マリーンズではあと一歩でレギュラーをつかめるというところで、何度も悔しがる姿を見てきた。その度に、試行錯誤し次のチャンスに向けて準備を続けてきた。昨季は出場機会が22試合にとどまったが、9月4日から6日にかけて行われた首位・ソフトバンクとの3連戦で、チームは3連勝し、加藤もトップバッターとして素晴らしい働きを見せた。走塁では状況判断が素晴らしく、1本の安打で1つ先の塁を陥れる積極的な走塁が光った。
何かのきっかけをつかめば、一軍で活躍できるだけのポテンシャルを持っている。マリーンズではレギュラー獲得が叶わなかったが、これまで積み重ねてきた努力は必ず次に繋がるはず。新天地となるドラゴンズはチーム打率(.240)、得点(183)はリーグワースト。外野のレギュラーは大島洋平のみという状況を考えれば、レギュラー獲得のチャンスはある。また、ドラゴンズにはかつてマリーンズで監督を務めていた伊東勤ヘッドコーチもいる。一軍の舞台で“光を放つ”加藤の“勇姿”を見せて欲しい。
▼ 加藤翔平
「ここまで9年、応援していただいたファンの皆様には本当に感謝をしています。そしてここまで支えてくださったマリーンズの皆様にも感謝の気持ちで一杯です。チームは変わりますが、今まで通り、全力プレーを心掛け、ドラゴンズの勝利のために精一杯、頑張りたいと思います。これまで応援してくださった方には頑張っているところを見ていただくことで感謝の気持ちを伝えることが出来ればと考えています。最後に自分がデビューした2013年の5月12日のイーグルス戦で初本塁打を打った時の歓声を一生、忘れません。これからも応援してくださるファンの皆様への感謝の気持ちをもってプレーします」
文=岩下雄太