◆ 序盤戦の黒星を糧に
DeNAの守護神・三嶋一輝が16日、ここまでのシーズンを振り返り、クローザーの心得などを語った。
初めてクローザーとして開幕を迎えた今季は、ここまで1勝3敗11セーブという成績を残しているが、開幕戦でサヨナラホームランを被弾し、5月11日と同12日には、共に2点差を守りきれなかった。そういった状況を受け、「9回を投げる人間として、負けが3つ付いている。チーム状況にも責任を感じていますし、大事な開幕戦でホームランを打たれた。払拭して取り返さないといけない。そう思って投げています」と、開幕直後につまづいた責任を口にした。
昨年はクローザーとして、ほぼパーフェクトに抑えていたが、「一番残っているのは巨人戦2試合、同点で投げて負けて、次の日は追いつかれて。かなりヘコみました」と回顧する。しかし、「やっていくうちに大事なところで打たれることは起こり得ると思っていました。失敗してからどう勝負するか、自分でしか乗り越えられませんから。こんな早く失敗したからこそ、どう立ち直るか」との考えを示し、それを実践している最中だ。
選手時代からお世話になっているという三浦大輔監督からも「やられた時、どうするかわかっているか? やり返すしかないんだぞ」と声をかけてもらったことを明かし、「三浦さんがいつも言っている『しっかり攻める、やられたらやり返す、逃げない』に応えなくてはいけない」と決意。番長イズムの反芻が、気持ちの切り替えに一役買ったという。
最近は、「エスコバー、ヤス(山﨑康晃)、自分というところでスイッチを入れる流れができている。抑えて勝って、ハイタッチするのはクローザーしかできない。やりがいを感じているし、昨年よりも喜びを感じています」と笑顔を見せた。
現在は交流戦が終わり、リーグ戦再開までDOCKでの練習期間に当てられているが、「ペナントはまだ半分も終わっていないですし、変にリラックスしないように心がけてます。勝負はここからと思っています」と、臨戦態勢は維持。また一つ壁を乗り越えた17番は、リーグ戦でもしっかりと9回を締めてくれそうだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)