紆余曲折を経て再びの支配下に
DeNAは17日、今月15日に育成から支配下登録された田中健二朗投手(31)の会見を球団事務所で実施。背番号は「046」から、以前背負っていた「46」に変更となる。
田中はキリッとした表情で「長いリハビリが報われたなと思っています」と第一声。気になる現在のコンディションについては、「復帰してすぐは硬さや張りが強かったが、投げていくに連れ緩和されてきて、今は全く何もない状態で投げられています」と、不安はないことを強調した。
左肘の故障により2019年8月15日にトミージョン手術を敢行。術後すぐは「ヒジの可動域が全然なくて、本当に投げられるようになるのか」と感じていたとのこと。
昨年末には「今まで通りの感覚で投げていると、痛みや強い張りが出てしまう。張りが強くなるとリハビリの途中のようにノースローになってしまうので、それだけは避けないと。感覚を変えないと投げられないので、苦労しています」と明かしていたが、「トレーナーさんと話して腕の使い方どうこうよりも、体幹や骨盤の動き、使い方が大事と気づいた」ことで事態は好転した。
現在は「左の骨盤が早くホーム側に向かないように、体幹や尻、内転筋で我慢する」イメージで取り組んでいると説明。苦しい日々を経て、「前は打たれたら感情的になったりしていたが、今は何がダメなのか冷静に振り返って分析できるようになった」と、メンタル面の成長も感じているようだ。
経験豊富な左腕だが、「それより挑んでいかないといけないと思っている。それを糧に勝負していきたい。まだ老け込む年齢ではないので、また60試合投げられるように頑張っていきたい」と力を込めた。久しぶりに見た「46」のユニフォームに「懐かしい感じもしました。モチベーションも上がって、これからやってやるぞ!という気持ち」と、臨戦態勢に入っている。
三浦大輔監督も、「これからだぞ。一軍に上がることが目的ではなくて、一軍で投げて勝利に貢献すること」が重要と話したことを明かし、「本人も分かっていてチームのために頑張りますと言っていた。楽しみにしています」と期待を寄せている。ファンも待ちわびた『International Love』の特徴的なイントロがスタジアムに流れるときが刻一刻と近づいている。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)