球団生え抜き初の2000安打まであと35本
西武一筋20年のベテラン・栗山巧選手が、6月12日に行われた中日戦で通算2000試合出場を達成した。西武(前身球団含む)では、通算2379試合に出場している伊東勤(現中日ヘッドコーチ)以来、ふたり目の記録である。
この快挙に対し、辻発彦監督も「もう少しすれば2000本も達成できるので、ライオンズのレジェンドになる」とコメント。栗山が個人として次に達成するであろう記録は、その2000安打となる。
栗山はセ・パ交流戦を終えた6月15日終了時点で、2000安打まで残り35本としているが、これはすでに球団トップの数字。つまり、前身球団を含め、西武のみで2000安打を達成した選手は不在ということだ。
栗山の過去の受賞記録を振り返ると、ベストナイン4度とゴールデングラブ賞の受賞こそあるものの、打撃タイトルは2008年の「最多安打」のみ。しかし、西武の球団記録を見ていくと、多くの項目の上位に栗山の名前があり、その凄さを実感することとになる。
四球は球団トップで歴代ベスト10入りも視野に
先に述べたように、栗山はすでに試合数で球団2位、安打数では球団トップとなっている。また打席数でも、球団記録である伊東の「8191」に迫る8158打席となっており、この数字を更新するのは時間の問題だ。それ以外では、371二塁打と63犠飛、そして939四球が球団トップの数字となっている。
四球の数は一般的に、勝負を避けられやすい長距離砲や、首位打者争いをするような高打率を残す選手が伸びやすい傾向にある。しかし、規定打席に到達しての打率3割は3回あるものの、本塁打は3度の12本が最多本塁打だ。それでも、これだけの四球をもぎとってきたのは素晴らしい。
ちなみに、栗山の四球はNPB歴代で見ても現役選手では鳥谷敬(ロッテ/1055四球)、福留孝介(中日/993四球)に次いで3位に位置している。現役選手というくくりを外しても、歴代21位に顔を出す。
栗山はこれまでのキャリアハイで99四球(2013年)を記録したことがあるが、ここ3年は50四球前後となっている。今シーズンもここまで17四球で、143試合に換算すると54四球。今年9月で38歳、常識的に考えれば徐々に出場機会は減っていくと見るのが妥当だが、今でも4番に座る試合があるなど、首脳陣からの信頼も厚く、歴代10位の谷繁元信(中日/1133四球)は十分に視界に入ってくる。
王貞治(巨人/2390四球)や落合博満(日本ハム/1475四球)らが上位に名を連ねる四球ランキングで上位に名を連ねるのはまさに偉業。派手なタイトル獲得はなくとも、チームに大きく貢献してきたことが伺える。
まさに、球界を代表する“いぶし銀”栗山が、リーグ戦再開後の試合で安打や四球をどこまで積み上げていくのか──。今年はルーキーの活躍が上位進出をうかがうチームを引っ張るベテランの働きにも注目していきたい。
※数字は2021年6月15日終了時点
▼ 栗山が上位に位置する球団通算記録ランキング
※2021年6月15日終了時点
<試合>
1.栗山 巧:2003
2.伊東 勤:1958
3.中村剛也:1798
<安打>
1.栗山 巧:1965
2.石毛宏典:1806
3.伊東 勤:1738
<四球>
1.栗山 巧:939
2.清原和博:919
3.石毛宏典:775
<二塁打>
1.栗山 巧:371
2.中村剛也:314
3.石毛宏典:308
<得点>
1.石毛宏典:1037
2.中村剛也: 947
3.栗山 巧: 880
<打席>
1.伊東 勤:8191
2.栗山 巧:8158
3.石毛宏典:7407
<犠飛>
1.栗山 巧:63
2.伊東 勤:60
3.石毛宏典:50
3.中島裕之:50