昌さんから400号のメモリアル弾
現役生活32年、50歳までプロ野球選手として活躍を続けた日本球界のレジェンド・山本昌氏がMCを務めるトーク番組「マサNOTE ~山本昌が記す球人の軌跡~」(スポーツライブ+)。
6月19日に放送された最新回のゲストは中村紀洋氏。NPB通算2101安打・404本塁打の実績を誇る日本を代表するスラッガーの一人で、2007年~2008年には同じユニフォームを着て戦った間柄の2人が、現役時代のマル秘エピソードやこれまで明かされることのなかった技術論で熱く盛り上がった。
次回のゲストはそう‥
— マサNOTE〜山本昌が記す球人の軌跡〜 (@masaNOTE_34) June 16, 2021
"ミスターフルスイング" #中村紀洋 さん!
バットが風を切る音と、昌さん袴田さんのガヤも聞いてみてくださいね👂笑
📺スポーツライブ+
🗓6/19(土)正午~ 初回放送※再放送ありhttps://t.co/uYcmgXyFas#マサNOTE pic.twitter.com/57fXtfuezS
2007年、入団テストを経て育成選手として中日と契約を結んだ中村氏。テストの前には昌さんから「気楽にやって」と声をかけられ、そのひと言で緊張が解けたと振り返る。
一方の昌さんは、「私が投げる試合の時によく打ってくれたんですよ」と共に戦った日々を思い返す。実際、その成績は39試合で打率.295(132-39)、7本塁打で23打点というもの。
なかでも「200勝を達成した試合でも決勝タイムリーを打ってくれて」と印象的な思い出を語ると、中村氏も「守っていてテンポが良いんですよね」と打撃に集中できた点を挙げ、互いに頼もしい存在だったことを明かした。
しかし、その関係は長くは続かず、中村氏は2009年から楽天へと移り、2011年からは横浜(現・DeNA)へ。敵同士になった2人の対戦成績は打率.182(11-2)で1本塁打・1打点と昌さんが数字上では抑え込んだものの、実はその唯一の本塁打が通算400号のメモリアル弾だった。
昌さんが「意外。打たれていると思っていたので」と語ったのは、やはりその一発の印象が強かったから。中村氏は当時を振り返り、「昌さんから決めたいなと思っていた」と激白。よく打ち取られていたこともあり、その分対策はバッチリだった。
「まずは初球の誘い球を見送ること。初球ボールになれば、次は絶対に(ストライクを)取りに来るというのが自分の中にあった」
これを事前にテレビの取材で語っていた中村氏は、その通りに1球目ボールからの2球目をスタンドへ。昌さんもその模様を後に見たと言い、「その通りにやられたなと。預言者だなと思った」と脱帽。その中で、「記念の本塁打が俺で良かったな」という清々しさのような感情もあったのだと振り返った。
“いてまえ打線”の中で埋もれないために…
番組では、中村紀洋氏の野球人生を少年時代から深堀り。両親の影響で野球をはじめた当初は「左打ち」だったという意外な事実も明らかになった。
それも、よく言われる「左打者の方が有利」ということではなく、「掛布雅之さんに憧れていたから」というのが理由。「ポジションもサードで右投げ左打ち。よくマネしていたんですよ」と当時のことを振り返る。
しかし、「思うように打球が飛ばなかった」ことと、「父親から右で打ってみろと言われたら、その打席でホームランになった」こともあって、以降は右打ちに専念。この出来事がなければ、後の“ミスターフルスイング”は生まれていなかったかもしれない。
それから高校野球の激戦区である大阪の公立校・渋谷高で評価を高め、1991年のドラフト4位で近鉄に入団。夢だったプロ入りを叶えたわけだが、やはり最初は「衝撃」を受けたという。
「変なとこに来てしまったな…と思いましたよ」
当時の近鉄には、キャリアで3度の本塁打王に輝き、8シーズンで通算259本のアーチを描くラルフ・ブライアントや、ルーキーイヤーから5年連続で20本塁打以上を記録する石井浩郎といったスラッガーが在籍。
「この人たちに勝たないと一軍では活躍ができない」と考えた中村氏は、ライバルに勝つためには「ヒットではなくホームランを打たなければ」と考えるようになったのだと言う。
強力“いてまえ打線”の中でいかにしてインパクトを残していくか…。萎縮して打撃スタイルを変えてしまうのではなく、生き残るためにあえて「長打」で勝負することを選んだのが“ノリ流”の思考。
「飛距離で負けないようにと。負けるんですけどね(笑)」と謙遜したが、そこから本塁打王1回に打点王2回、最高出塁率も1回と、誰もが認めるスラッガーへと成長。2001年には近鉄を球団最後のリーグ優勝に導く原動力となった。
番組では、特徴的なバットに隠された秘密をはじめ、実はあまりスポットが当たらないがゴールデングラブ賞7回という名人芸の守備、そして今後の野望についても昌さんが直球勝負で切り込んでいる。
☆協力:スポーツライブ+『マサNOTE ~山本昌が記す球人の軌跡~ #16 中村紀洋編』
中村紀洋・プロフィール
ポジション:内野手(三塁手)
投打:右投右打
生年月日:1973年7月24日
身長・体重:180センチ・93キロ
出身地:大阪府
球歴:渋谷高-近鉄(91年・4位)-ドジャース-オリックス-中日-楽天-横浜・DeNA
[通算成績] 2267試 率.266(7890-2101) 本404 点1348