谷繁さんも「“怖さ”はない、と思ったが…」
日本ハムがカード3連敗を阻止。
破竹の11連勝と絶好調・猛牛軍団の勢いを止めたのは、頼れるドラ1ルーキーだった。
交流戦では負けなしの3勝と好調だった伊藤大海は、立ち上がりの初回にいきなり先頭・福田周平を四球で出し、一死から吉田正尚にはショートへの内野安打で一・二塁のピンチ。
それでも、4番の杉本裕太郎を変化球で三振に仕留め、T-岡田も変化球で二ゴロ。見事にピンチを切り抜けると、序盤の3イニングを無失点で投げ進めていく。
4-0と味方打線の援護も受けながら迎えた4回裏、先頭のT-岡田を歩かせ、つづくステフェン・ロメロはセンターオーバーの二塁打。無死二・三塁と大量失点のピンチとなったが、西野真弘は一ゴロ、その後の伏見寅威も中飛と、それぞれ1点ずつは奪われたものの、失点と引き換えにアウトを重ね、この大ピンチを2点で切り抜けた。
伊藤は5回も一・二塁のピンチを迎えながらゼロで切り抜けると、6回は下位打線を3人斬り。
この日は6回・96球でお役御免。好調な打線を相手に被安打は6、四死球は4つ与えながらも3奪三振で2失点の力投。
チームを同一カード3連敗の危機から救い、自身の成績も5勝4敗となって勝ち越しをひとつ作っている。
24日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、オリックスの連勝を止めたルーキーの好投が話題に。
通算201勝のレジェンド・平松政次氏は伊藤について「ボールは速いし、変化球も良いものを持っている。今日はストレートを大事なところでコースにきちっと決めていたので、なかなか当たっているチームでも攻略は難しい」と語り、勢いに乗るオリックス打線を上回るデキの良さだったとコメント。
同じく番組に出演した谷繁元信氏は、「キャンプの時に見て、かなりまとまっているなと。まとまっているので、バッターからするとそんなに“怖さ”はないかな」と伊藤の印象を振り返り、「球威が落ちたり、キレがなかった時は打たれることがあるかな」という見立てだったと明かす。
それがここに来ての4連勝。開幕当初は苦しいチーム状況もあってなかなか勝ち星がつかなかったが、厳しいところで投げてきた経験を糧に成長の跡を見せている。谷繁氏も「(当初の見立て以上に)球の勢い、変化球のキレが最近出てきていますよね」と、予想を上回る活躍ぶりに思わず舌を巻いた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』