オリックス・吉田正尚

◆ 佐野恵太と吉田正尚が2年連続首位打者に射程圏内

 各チームが70試合前後を消化し、ペナントレースも折り返し地点に近づいてきた。クライマックスシリーズの出場権だけではなく、個人タイトル争いもここからさらに白熱していくこととなる。

 首位打者争いを見ると、セ・パ両リーグともに昨シーズンのタイトルホルダーが好位置につけている。セ・リーグの昨年の首位打者・佐野恵太(DeNA)は打率.316(269-85)で、ウィーラー(巨人)、オースティン(DeNA)の外国人勢に次ぐ3位。一方のパ・リーグは昨年の首位打者・吉田正尚(オリックス)が打率.339(257-87)で同僚の杉本裕太郎に2分6厘もの差をつけて首位を走っている。

 2年連続の首位打者となれば、セ・リーグでは1997年、1998年の鈴木尚典(横浜)以来23年ぶりで、パ・リーグでは2002年、2003年の小笠原道大(日本ハム)以来18年ぶりと、両リーグともに久々の記録となる。

 打撃三冠にあたるその他ふたつのタイトルを見ると、本塁打王はセ・パ両リーグともソト(DeNA)と山川穂高(西武)が2018年と2019年に2年連続でタイトルホルダーに輝いた。

 打点王はセ・リーグでは、ラミレス(ヤクルト/巨人)が2007年、2008年に所属チームを変えながら獲得。一方のパ・リーグでも、松中信彦(ダイエー/ソフトバンク)が2003年から2005年にかけて3年連続で獲得している。

 久しく2年連続が出ていないことを見る限り、首位打者は本塁打王や打点王と比べると複数年連続でのハードルが高いようだ。

◆ 過去には王貞治と張本勲が3年連続、イチローの名前も

 そんな複数年連続の首位打者だが、それが両リーグ同時に達成されたことが過去に4度あった。直近では1997年、1998年の鈴木尚とイチローで、それが23年前のこと。2000年代に入ってからは一度もない。その前は1994年から1996年にパウエル(中日)とイチロー(オリックス)が、3年連続で同時に首位打者を獲得している。

 それ以前にまで遡ってみると、1985年、1986年のバース(阪神)と落合博満(ロッテ)が首位打者だけではなく、打撃三冠を2年連続で獲得した。ちなみに三冠王がセ・パ両リーグで同時に達成されたのは、この2年しかない。そして1969年から1971年の王貞治(巨人)と張本勲(東映)。これが複数年連続でセ・パ両リーグに首位打者が誕生した最初の事例だ。

 両リーグ同時に複数年連続の首位打者が誕生するのは偶然の要素が強い。それでも過去4例ある獲得者の7人を見ると、王、バース、落合と三冠王が3人もいる。圧倒的な数字を長年にわたって残し続けてきた強打者たちだ。

 さらにはNPB最多安打記録保持者の張本、日米最多安打記録を誇るイチローと、屈指の安打製造機がふたり。また、外国人選手として初の3年連続首位打者を獲得したパウエルにマシンガン打線の中核を担った鈴木尚。球史に名を残すレジェンドがずらりと並んでいる。

 佐野と吉田のふたりもこの偉業を達成し、チームの中心選手からレジェンド的存在になっていくのだろうか。

▼ 佐野恵太(DeNA)
[2020年]打率.328(402-132)
[2021年]打率.316(269- 85)※セ・リーグ3位

▼ 吉田正尚(オリックス)
[2020年]打率.350(408-143)
[2021年]打率.338(260- 88)※パ・リーグ1位

【両リーグで複数年連続首位打者】

<1997年-1998年>
▼ 鈴木尚典(横浜)

[1997年]打率.335(478-160)
[1998年]打率.337(514-173)

▼ イチロー(オリックス)
[1997年]打率.345(536-185)
[1998年]打率.358(506-181)

<1994年-1996年>
▼ パウエル(中日)

[1994年]打率.324(423-137)
[1995年]打率.355(389-138)
[1996年]打率.340(518-176)

▼ イチロー(オリックス)
[1994年]打率.385(546-210)
[1995年]打率.342(524-179)
[1996年]打率.356(542-193)

<1985年-1986年>
▼ バース(阪神)

[1985年]打率.350(497-174)
[1986年]打率.389(453-176)

▼ 落合博満(ロッテ)
[1985年]打率.367(460-169)
[1986年]打率.360(417-150)

<1968年-1970年>
▼ 王貞治(巨人)

[1968年]打率.326(442-144)
[1969年]打率.345(452-156)
[1970年]打率.325(425-138)

▼ 張本勲(東映)
[1968年]打率.336(363-122)
[1969年]打率.333(480-160)
[1970年]打率.383(459-176)

※数字は2021年6月23日終了時点

この記事を書いたのは

ベースボールキング編集部

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