『LEGENDS VOICE ~過去から未来へ~』
セ・リーグ公式戦のタイトルパートナー「JERA」のスペシャルコンテンツ『LEGENDS VOICE ~過去から未来へ~』では、タイガースのレジェンドである掛布雅之さんにインタビューを実施。現役時代のエピソードや現在のカープ、そしてチームの今後について語っていただきました。
※このインタビュー動画全編はJERAセ・リーグ協賛特設サイトの中で視聴することができます。
タイガース入団の経緯
―― 掛布さんといえば縦縞を着た経緯ですよね。タイガースのテストを受けるというような形になりました。
「僕自身はテストを受けるという印象はなかったんです。高校3年生の10月に学校を10日間くらい休みまして阪神の2軍の方たちと一緒に1週間練習をさせてもらったんです。まさか1週間が終わったあとに阪神が獲得すると言ってくれるとは思わなかったんですよ」
―― 掛布さんがいわゆる世に出ると言いますかオープン戦ではいきなり先発に抜擢されました。
「2軍の練習試合に参加する中で1軍のちょうど3月半ばくらいですかね。四国の鳴門で太平洋クラブライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)とオープン戦があると。そこで藤田(平)さんに代わって先発したんですよ。(相手に)フランク・ハワードという2メートルくらいの外国人がいてショートを守っていても怖いんですよ。近くに見えちゃって。『ショートゴロ打たないでください』くらいドキドキしてましたね」
―― プロ初先発の試合で東尾(修)さんから2本ヒットを打ちました。
「たしか、センター前とレフト前だっと思うんですよ。緊張はしたんですが、背伸びはできないじゃないですか。今まで自分のやってきたことしか表現できないわけだから、全部出し切ろうという気持ちで初めてのスタメンでの4打席を立たせていただいてヒットを2本打ったんですよね」
―― その活躍が認められて次の近鉄戦ではサードで先発出場しました。
「野田(征稔)さんの代りで出たんですが4の4打ったんですよ。その時にちょうど高校時代の野球部の同級生が日生球場に来て僕のヒットを見てびっくりしていましたね。それがすごく嬉しかったですね」
当時のスター選手の印象
―― 1軍には「ミスタータイガース」と呼ばれた田淵幸一さんがいました。当時の印象は?
「初めて1軍でバッティング練習を見た時に子供の頃後楽園でみた王さんの打球よりも田淵さんの打球のほうが高くて、優しくて、ボールが落ちてこない。『この辺に落ちてくるだろうな』と思っても全部スタンドに入るんです。『なんなんだ、この人は!』と思いましたね」
―― 当時のチームにはみんなで若い掛布雅之を育てるんだという雰囲気がありました。
「田淵さんは僕をすごくかわいがってくれましたね。チームの中心になっていくためのような、そういう野球は言葉で云々ではなくて田淵さんの背中がいろいろなことを教えてくれたんだと思います」
1985年のリーグ優勝と日本一
―― 我々を永久に楽しませてくれる1985年の日本一。本当にすごいシーズンでした。
「シーズンが始まる前、2月の安芸のキャンプでですね。真弓(明信)さんが僕に『カケ、今年勝てねえか』って言うんですよ。(そのシーズンは)広島と巨人が強い戦力を持っていましたので『ええっ!』て言ったんですよ」
―― 一番何が印象に残っていますか?
「開幕戦ですね。広島とだったんですが、相手の先発ピッチャーは大野(豊)君だったかな、バースが3三振くらいしまして、私も2三振ですよ。それで試合はサヨナラ負けで開幕戦を落としたんです。その帰りのバスが忘れられません。一番後ろに乗って真弓さんと顔を見合わせて『今年もダメですかね』って(笑)。あの僕と真弓さんの間は忘れられないな」
―― 開幕2戦目は勝利して“あの巨人戦”を迎えます。
「バックスクリーン3連発がクローズアップされますが、あのゲームでもっと忘れてほしくない大切なことは、中西(清起)が一番最後にゲームを終わらせたということです。これで(クローザーの)山本和行さんと中西という左右のストッパーができたということです。それと、あの巨人戦は3タテしているんです。あの3連戦で3つ勝ったことが大きいと思いますね」
レジェンドの掛布雅之さんが語るライバルとの関係、そしてタイガースの未来像とは? インタビュー動画全編はJERAセ・リーグ協賛特設サイトでお楽しみいただけます。