一軍再昇格
ロッテの藤原恭大が3日、一軍昇格を果たした。
藤原は開幕一軍をつかんだが、22試合に出場して、打率.161(56-9)、4打点の成績で4月22日に一軍登録抹消となった。
ファームでは37試合に出場して打率.254(122-31)、3本塁打、17打点、7盗塁、29四球、出塁率は.406という成績。月別では4月が打率.000(4-0)、5月が打率.258(62-16)、6月が打率.268(56-15)となっている。
ファームで打率3割を超えた月はないが、スタメンでの出場試合に限ると、3試合連続無安打が1度もなく、コンスタントに安打を放ってきた。ただスタメン出場した5月21日から6月1日にかけて9試合連続で安打を放ったが、そのときに複数安打は3安打を放った5月29日のヤクルトとの二軍戦のみ。
5月までは複数安打を放った試合が2試合しかなかったが、6月は複数安打が4試合と復調気配。直近の6月29日、30日の巨人との二軍戦はいずれもマルチ安打を放った。現在スタメンで出場した試合は、8試合連続安打中。直近出場10試合の打率は.344だ。
▼ファーム月別成績
4月: 1試 率.000 本0 点0 盗0
5月:19試 率.258 本2 点10 盗5
6月:17試 率.268 本1 点7 盗2
ファームで躍動
ここ最近の藤原のファームの映像を見ると、打撃面でいえば粘り強さが出ている。
6月25日の楽天との二軍戦では、0-0の初回無死走者なしの第1打席、先発の弓削隼人に対し簡単に2球で追い込まれるも、そこからファウルやボール球を選び8球目に四球で出塁した。翌26日の楽天二軍戦でも、0-0の初回無死走者なしの第1打席、先発の石橋良太に対して3ボール2ストライクから粘りに粘って10球目のフォークをセンター前に弾き返す安打を放った。
インコースの難しい球にも対応している印象だ。特に5月28日から30日にかけて行われたヤクルトとの二軍戦で、それを強く感じた。5月28日の試合では星知弥が投じた内角低めの変化球をうまく合わせ、ライトフェンス直撃の適時二塁打を放てば、翌29日も原樹理から第1打席、インコースのストレートに肘をうまくたたんでライト前に適時打、第2打席もインコースのストレートをうまくライト前に安打を放った。さらに30日の試合では、3-3の8回に大下佑馬が2ボール1ストライクから投じた4球目のインコースのストレートをライトスタンドへ決勝2ラン。
藤原の魅力のひとつである“足”でもアピールした。5月30日のヤクルトとの二軍戦では先頭で迎えた2-3の6回の打席、四球で出塁すると、続く松田進の打席で二塁盗塁を決める。高濱卓也の右飛で三塁へタッチアップし、代打・菅野剛士の右安でホームに生還した。
6月15日の巨人との二軍戦では、ボテボテのファーストゴロをファーストのやや緩慢な動きで内野安打に。6月22日の西武との二軍戦では1-1の4回一死一、三塁からエチェバリアが放ったショート、センターの間の当たり、ショートとセンターが交錯し、ショートの捕球体勢を見て、三塁から一気にホームに還ってきたということもあった。
守備でも5月1日の巨人との二軍戦で、2-2の9回一死二、三塁から立岡が放ったセンターへの浅いフライをキャッチしアウトにすると、飛び出していた二塁走者を刺そうとすぐさま二塁へ送球しアウトにしてダブルプレー。その裏、宗接のサヨナラ打につなげる好守備を見せた。
ファームで実戦経験を積み、再び一軍の舞台に戻ってきた。マリーンズファンは昨年10月にチーム全体が極度の打撃不振に落ち込む中、緊急昇格しバットで存在感を示し続けた背番号“2”の躍動する姿を待っているはずだ。マリーンズの外野手は荻野貴司、マーティンがレギュラーで出場し、角中勝也はリーグ戦再開後、指名打者で出場している。再び訪れた一軍のチャンス。今度こそ活かし、ポジションを奪いたい。藤原が一軍で活躍すれば、チームの状態も上向くはずだ。それだけ、藤原にかかる期待は大きい。
文=岩下雄太