ニュース 2021.07.04. 11:00

「大きく変えないと」。ピンチで輝くロッテ・東妻が明かした考え方の変化

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ロッテの東妻勇輔

開幕は二軍スタート


 「自分の実力がないのかなと思っていて、大きく変えないと、今まで通りになってしまう。思いきって大きく変えてみようとした結果、今につながっていると思います」。

 ロッテの3年目・東妻勇輔は開幕を二軍で迎えたが、6月18日に今季初昇格を果たすと、日に日にその存在感を高めている。

 “大きく変えた部分”は、「考え方を変えて力まないようにしたことと、あとは少しインステップなのを、外目に開いて投げるようにしました」と明かす。

 「自分はスピードが持ち味だと思っていたので、そこを追い求めすぎて力んでスピードが出ないようになっていた。そこの考え方も変える。力まなくてもスピードが出るんだという考え方に変えて取り組んだ結果、球速表示よりも少し速く見えているのかなと思います」。力まずに投げるようになったことで、ストレート系の球種だけでなく、全球種のスピードがアップした。

ピンチで光る存在感


 一軍昇格後、初登板となった6月18日の西武戦では5-0の9回から登板し、先頭の栗山巧を143キロのフォークで空振り三振、続くスパンジェンバーグを142キロのフォークで空振り三振、メヒアを137キロの縦のスライダーで空振り三振と、三者三振に抑える最高のスタートを切る。

 6月20日の西武戦で2-2の7回から登板し1点を失ったが、6月24日のソフトバンク戦では先発の佐々木朗希が2-1の6回に三森、柳田悠岐に適時打を浴び逆転され、なお一死一、二塁という場面でマウンドに上がり、長谷川勇也を1球で二併に打ち取り、ピンチを脱した。

 6月29日のオリックス戦でも5-3の7回から登板したハーマンが一死後、4連打で同点に追いつかれ、一死一、二塁の場面で登板し、宗佑磨を一ゴロ、吉田正尚を一ゴロに仕留め、逆転を許さなかった。

 7月3日の楽天戦では2-2の5回一死一、二塁で先発・本前郁也の後を受けて登板し、ディクソン、銀次に連続安打で一時勝ち越しを許したものの、カスティーヨ、太田光を連続三振に斬って取った。チームは2-3の8回に中村奨吾の2ランで逆転勝ち。6回の小野郁、7回からの2イニングをフローレスが無失点に抑えたことに加え、東妻が最少失点で切り抜けたことも逆転勝ちにつながった要因のひとついえるだろう。

 ピンチの場面で登板したときの“火消し”ぶりは見事だ。

 東妻本人は「二軍で2カ月くらいやっていて、一軍でやれない悔しい時期を経て、今は一軍で投げられている。どういう結果が出ようが、投げられている事に対して喜びといいますか、満足しているわけではないですけど、一番下を見ているので、ここから上がっていくしかない。下がることはないと思うので、割り切り方ですかね」と、ランナーを背負った場面でマウンドに上がったときの心理状況について教えてくれた。

課題の右打者対策


 今季の東妻は、新人時代から課題にしてきた右打者をしっかり封じている。そのなかでも、縦に落ちるスライダーが威力を発揮。

 昨年2月の春季キャンプで取材したときに、同年の自主トレで森唯斗(ソフトバンク)から教わった「縦スラみたいになるんですけど、それをカーブという名目で使っています」と話していたが、現在投げている縦のスライダーは「一応スライダーなんですけど、自分が前から思っていたスライダーにカーブの要素を取り入れた感じです」とオリジナルのボールに改良。

 縦のスライダーを投げ始めた経緯について東妻は「右バッターへの被打率が課題になっていたので、スライダーを勝負球にできないと、一軍で勝負できないなと思ったので、あのボールを使うようになりました」と、試行錯誤の末に現在の縦のスライダーにたどり着いた。

 スライダーに加え、右バッターへのインコースに投じる150キロを超えるツーシームも有効に使い封じている。ちなみに現在はストレートをあまり投げておらず、150キロを超えるボールもツーシームだそうだ。

 1年目は右打者の被打率が.385、2年目は.160と向上。右打者に投げる上で対策、考え方に変化はあったのだろうかーー。

 「もともと学生の頃から右バッターに対して自信はあり、苦手ではなかったが、プロで通用しなかった。少し考え方を変えれば、今のボールでやっていけるんじゃないかというところで、握りを変えたというより考え方を変えれば、今の結果につながったかなという感じですね」。

 具体的に「曲がりが大きくて、振ってくれないというのが課題だったんですけど、曲がりが大きかったら大きかったなりに、ストライクゾーンにいけば、そんなに打たれることはない。空振りを取りたいというよりも、ストライクを取りたいというところで、意識したらいい方に向かっていったというところですね」と説明した。

 “考え方の変化”とともに、プレートの踏む位置も一塁側から今季は三塁側に戻した。

 「去年までは一塁側で左バッターが得意だったので、ツーシームというところをメインで投げていたのでそれでやっていたんですけど、右バッター対策というのもあってスライダーを多く使いたいから三塁側に戻したというところですね」。

 右打者対策に入念に準備を重ねてきた成果が、ここまで右打者に対して8打数1被安打にも現れている。

 昨季は“勝利の方程式”が確立されていたが、今季は今後のアピール次第では勝ちパターン入りも狙えそうだ。「今はそんなことは考えていなくて、一軍で戦力になるためならどこでも投げるという風に考えています」。“考え方”を変えたことで安定感が出てきた東妻は、目の前の試合を全力で抑えていく。

取材・文=岩下雄太

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