自身3連敗で前半戦終了
首位・オリックスに2勝1分と勝ち越してホームに戻ってきた楽天だったが、10日の試合は連敗中の西武に2-6で敗戦。
西武を相手に涌井秀章-炭谷銀仁朗の“西武出身コンビ”で挑むも、3回6失点の乱調で試合を作ることができなかった。
立ち上がりは危なげなく3人で斬った涌井だったが、2回に先頭の栗山巧にこの日はじめての安打を浴びると、つづく中村剛也にも安打を許し、一・二塁から呉念庭にはライトへの二塁打。3連打で1点を失ってしまう。
さらに山川穂高には四球を与えて無死満塁。ここからコーリー・スパンジェンバーグと金子侑司は連続三振に斬ったものの、トップに返って源田壮亮に適時打を打たれ、森友哉にもセンターに運ばれてここは二者が生還。1イニングで4点を奪われてしまった。
立ち直りたい3回も、一死から栗山と中村に2イニング続けての連打。呉は四球で満塁とすると、山川にも四球を与えて押し出し。二死満塁から金子の打席中にワイルドピッチでもう1点を与え、この日は3回6失点。終わってみれば今季最短・今季2度目の3回KOとなってしまった。
これで涌井は6月4日に自身の通算150勝目を挙げた後、1カ月以上勝ちなしの3連敗…。
この日はトレードで加入した炭谷との8年ぶりのバッテリー復活が話題を集めたが、嫌な流れを断ち切ることはできなかった。
涌井のピッチングについて、10日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の平松政次氏は、「初回は上々の立ち上がりだったんですが、全体的にボールが甘くて、高かった」とコメント。
つづけて、「涌井はキレイなフォームをしていますので、バッターからすると合わせやすい部分もある。なのでボールが甘くなってくるとやられるケースも多々あるんですよね。涌井の良い時はコース・低めにキレの良いボールを投げている時。今日はそれがなかった」と振り返り、打ち込まれた要因について語った。
同じく番組に出演した立浪和義氏も、炭谷とのコンビについて触れつつ、「もちろんリード面もあると思うんですけど、まずは投手のボールですよね」と、要求に応えることができなかった涌井の状態に言及。
それでも、前半戦を良い形で締めくくることは叶わなかったが、プロ野球は来週のオールスターを挟んでしばしの中断に入る。経験豊富なベテランだけに、不調時の自身との向き合い方も熟知していることだろう。
「まだまだ頑張ってほしい投手なので」と立浪氏。自身の若い頃を知る炭谷とのコンビ復活を契機に、ペナントレース再会までの期間での復調に期待を寄せた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』