五輪の無観客開催について私論
日本野球機構(NPB)とJリーグが設立した「第36回新型コロナウイルス対策連絡会議」が19日、Web会議システムにて実施された。会議後に行われた会見に出席したNPBの斉藤惇コミッショナーは、ワクチン接種に伴うガイドライン修正の可能性について言及。政府の方針を待つ必要があるとしつつも、オリンピック終了後のリーグ戦再開を見据え、「その準備を急ぎたい」と語った。
現状のルールでは、保健所から濃厚接触者と判定された場合に14日間の隔離・待機を余儀なくされるが、斉藤惇コミッショナーは、今後ワクチン接種が進んだ際に、選手たちから「打ったもの同士では食事に行っていいのか」や「ワクチン接種者も隔離期間は同じなのか」などの疑問が出てくる可能性を指摘。会議の場でも重要であるとの共通認識を得たことを明かし、「社会問題にも展開するものだと思いますので、真剣にその辺の問題をルール化していきたい」と意欲を見せた。
また、オリンピックの無観客決定についての意見を求められると、「どうのこうのという立場ではない。社会的な問題を専門家によって議論して結論を出したものだと思う。これは粛々と受けざるをえない」とした上で、「一般論として、東京にオリンピックを呼んだのは日本。ものすごく必死で招待して選ばれて、みんな飛び上がって喜んだ。世界から一流選手が日本に来る、それを子どもに見せたい、自分も目の前で見られるという期待感で取り組んだ。それが1年延期となり、気持ちがだんだん変わっていくのは分からなくもないが、日本だけでなく世界中がパンデミックとなった苦しい状況に、本当に必死に取り組んで、ワクチンや観客、感染率の問題、病院の対応など、先へ先へ取り組んで、日本はこの難しい中で良くやったなという記録というか、あとで振り返って、パンデミックの中で敢行されたオリンピックが素晴らしいという記録を、みんなで作ろうという気持ちが、残念ながらないと思う。私は、東京に来てくださいと言った責任というか、心の決め方というのが人間として非常に大事だと思う。難しくなってきたら投げてしまったような発言をしては、日本の国際的な位置付けが完全に無視されてしまう。真剣に前向きに取り組んでいくべきだと思っている」との思いを口にした。