初出場の球宴で貴重な体験
DeNAのキャプテン・佐野恵太が22日、初出場となった球宴を振り返りつつ、後半戦に向けた意気込みなどを語った。
この日の練習後、初出場を果たした球宴について振り返った佐野は「緊張しましたけど、すごく楽しい2日間だった。色々な選手と話ができましたし、本当に貴重な時間でした」とコメント。特に「坂本(勇人)さん、鈴木誠也とは話をさせてもらいました。全ての言葉がすごくためになりましたし、(バッティングについても)すごく参考になりました」と、自身と同じキャプテンを務め、打線の中軸を担う好敵手たちから刺激を受けた。
また、坂本から「どういう風に打っているの?」と聞かれたことを明かし、「あんなに実績のある人でも年下の僕に聞くことがあるんだと思いました。向上心というものをもっと貪欲に持って、色々な人に話や意見を聞いたりするようになりたい」と決意を新たにしていた。
プレー面では、第1戦の9回、同点の場面で訪れた一死満塁の絶好期に三振という結果に終わったことにも言及。「打席に向かう前にベンチ前で柳(裕也)、森下(暢仁)と、明大で一緒にプレーしている2人から『チャンスであるよ!』って打順が近づけば近づくほど言われてました」とプレッシャーをかけられ、「すごく緊張して悔しかった。あんなチャンス、二度とないんじゃないかと思います」と、打てばMVPという場面での凡退に苦笑いしていた。
逆襲の後半戦へ気持ち新たに
開幕直後の序盤は、自身に対する守備シフトに「今まで経験することがなく、すごく意識している自分がいた」と戸惑いがあったことを明かした。それでも、「相手も抑えるように投げてきますし、今の時代はデータも活用している。僕が一枚も二枚も常に相手より上に行けるように意識しながら、頭の中で整理しながら打席に入るように」と気持ちを切り替えると、打率も徐々に上昇した。
現在は打率.328で堂々のトップに立つが、「まだまだ60試合くらいあるので、タイトルは意識することなくプレーしている」と平常心を強調。「前半戦が終わって、まずは身体のことと、頭の中の整理をしっかりしてゲームに入りたい」とコメントし、約1カ月に及ぶ中断期間を有効的に活用していきたい考えだ。
さらに、「打撃を良くしたい。バットを振る量が落ちないように、自分で練習量を確保しながら、後半戦に向かってやっていきたい」と語り、「昨年からずっと言っていることですけど、現状維持のまま次の日を迎えないように、今でも(自分に)言い聞かせている。しっかりとレベルアップして、次の日、次の週、次の月を迎えたい」と、飽くなき向上心は不変だ。
「チームのためにヒットを打つというところだけを考えていきたい」。そう語る令和のヒットメーカーは、後半戦も自身のバットでチームを浮上さていく気構えだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)