昌さん「もっと苦労すると…」
23日、「2021シーズン前半戦振り返りSP」と題して放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に超豪華ゲストが出演。
山本昌さん、清原和博さん、藤川球児さんの3名が阪神の怪物ルーキー・佐藤輝明選手(22)について語った。
仁川学院高から近畿大を経て、昨秋のドラフト1位で阪神に入団した右投げ左打ちのスラッガー。
春のキャンプから桁外れのパワーで注目を集めると、前半戦で84試合に出場して打率.267、本塁打は早くも20本に到達。打点もチーム最多でリーグ4位の52をマークし、チームの首位ターンに大きく貢献した。
一方で三振は前半戦で新人記録に並ぶ121個に達するなど、まだまだ粗削りな部分が目につくのも事実。球界を代表するレジェンドたちは、怪物ルーキーのここまでをどう見ているのだろうか…?
山本昌さんは「私はもっと苦労すると思っていました」と、1年目からの大暴れは想像以上だったと告白。
「前半戦の終盤は苦労している部分もありましたが、立派だったと思います。三振はすごく多いんですけど、三振を苦にしていない。投げる方からしたら怖いですよね」と語り、三振を恐れることなく振ってくる姿勢に投手目線から言及。
今後に向けては、「チームの中でより信頼を得るために、もう少し三振の数を減らして、チャンスでどんなバッティングをしていくかというところ」と課題を挙げつつも、「今年の成績がキャリアで一番低い数字になるかも。三冠王を獲れるバッターに成長する可能性もある。これから何年も楽しみな選手だなと思います」と、今後の成長に大きな期待を寄せた。
「いずれは不動の4番になり得る選手」
前半戦で20本塁打をマークした佐藤輝明に期待がかかるのが、新人最多本塁打記録への挑戦。その記録保持者こそ、この日ゲストとして出演した清原和博さんである。
高卒1年目のシーズンに31本塁打を放ったかつての怪物スラッガーは、虎のスーパールーキーのここまでについて、「自分は三振の日本記録(通算1955個)を持っているんですが、僕から見ても多いですよね。少し意識を変えて、追い込まれた時にコンタクトできるようになれば、投手はもっと嫌がるのかなと」とし、三振の多さについて言及。
すると、ゲストの藤川球児さんは清原さんと佐藤輝明の打撃の違いについて、「清原さんはボールがバットに吸い付いて、押し込んで打つ。柳田選手(=柳田悠岐/ソフトバンク)とかもコンタクトしてから押し込んでいますが、佐藤選手はまだハードヒッターなんですよね。それだとバットに当たらないケースも増える」と、技術面から解説。
三振を減らしてバットに当てる確率を上げていくためには「バットにボールを乗せるような打ち方」が必要だと説明しつつ、「メジャーリーグの有望株でも2通りあって、1年目に三振がものすごく多くて本塁打をたくさん打っていた選手が、2年目以降に三振を一気に減らすこともあれば、三振ばかりになってしまう選手もいる。佐藤選手はどちらかと言えば前者で、三振が減って確率が上がるであろうスイングをしているので、僕も期待をしています」と、山本昌さんと同様に今後の飛躍に期待を寄せている。
清原さんもこの話を受けて、「村上選手(=村上宗隆/ヤクルト)も三振の多い選手だったと思いますけど、三振が減ってアベレージが残るようになった」と、ツバメの若き主砲を例に挙げながら、「佐藤選手もまだまだ伸びしろがあるので、三振を1個の三振と思わずに、経験を積んでいくことができれば。飛距離を見ても、末恐ろしいバッターだなと思いますね」と、そのポテンシャルには太鼓判を押す。
今季は4番を任されることもあったが、「伝統あるタイガースの4番というのは不動のものでないといけないと思いますので、まだちょっと荷が重いかなという感じはします」と現状を見つつ、「いずれは不動の4番になり得る選手です」とコメント。
まだまだ課題はあるものの、日本球界を代表するレジェンドたちがこぞって期待を口にする逸材。
佐藤輝明がどのようなキャリアを歩んでいくのか、今から楽しみだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』