野球を通して様々な考えを学ぶ
西武が推進する地域コミュニティ活動「L-FRIENDS」の一環として7月26日からメットライフドームほか所沢市内の施設で行われているのが『ライオンズ×ヤキュイクキャンプ2021 Summer』だ。
小学校4年生から6年生を対象に、「野球の技術力向上」「野球を楽しむ」「考える力を身につける」ことを目的に実施する3日間の日帰りトレーニング。少年野球に関わる保護者向けのサイトなどを運営している「ヤキュイク」と共同で実施する今回のトレーニングは、ライオンズアカデミーのコーチたちが子どもたちに野球を教えるだけではなく、カリキュラム内には『ライフスキルセミナー』というものも盛り込まれ、日常生活に生じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力までを育くもうというもの。
全体練習に入る前、50人の小学生たちが受講した「ライフスキルセミナー」では、日頃何気なくやっている野球を通じて、子どもたちに今後生活していくうえで必要な“気づき”を与えることから始まった。まずは会議室に集められた子どもたち。「3時間の試合で実際にボールが“動いている”時間は何分でしょう?」という講師の問いに、「15分」と見事正解を導いた小学生が1人だけいたが、これは残りの135分をどう過ごすべきか・・・ということを根本から考えさせるため。
続いて「野球の試合をするためには人が何人必要なのか」という問いに、少々しどろもどろになった子どもたち。「審判やマネージャー、皆に野球をさせてくれる親御さんや、試合をセッティングしてくれる連盟の方も、そうだよね」という講師が回答した“正解”には、大きく頷き、改めて野球ができることの喜びを再認識した様子だった。
普段、自然と感じてしまっていた“あたりまえ”の気持ちを“ありがとう”に変えて、昼前からの練習に励んだ子どもたちは、初対面の仲間でも相手を気遣いならがプレー。初日はメットライフドームを広々と使い、ピッチング、バッティングを行ったが、指導にあたった金子一輝コーチは、「野球を通じて、そして今回のキャンプを通じて、人としても成長してほしい。この先、参加してくれた皆がどんなスポーツ、どんな道を歩んでも、ライフスキルセミナーで学んだことが少しでも役に立てば、とてもうれしいです」と晴れやかな表情で振り返った。
今回のキャンプは、8月上旬に大宮でも実施され、既に満員御礼。このヤキュイクに携わるスタッフ、そしてライオンズアカデミーコーチたちはその期待に応えるべく、“野球を教える”という専門分野以外にも全力を尽くして、その日に備えている。