ニュース 2021.07.29. 15:30

日本のライバル! “前回大会王者”韓国はどんなチーム?

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2019年のプレミア12では日本に敗れて準優勝という結果に終わった韓国

前回大会王者・韓国

 
 オリンピック(五輪)の野球競技における“ディフェンディング・チャンピオン”韓国が、29日19時から横浜スタジアムで初戦(対イスラエル)を迎える。

 2004年アテネ大会は、よもやの予選敗退。2008年の北京大会では、必勝を期して国内リーグ・KBOの精鋭を集めた「ドリームチーム」を結成し、9戦全勝で金メダルを手にした。このチームには、当時巨人でプレーしていたイ・スンヨプもいたが、今回の布陣は全選手が国内プロリーグ・KBOに所属している。

 今大会でも日本の“最大のライバル”となる可能性が高いが、この戦いはある意味、NPBとKBOという両国のトッププロリーグのプライドをかけたものとも言えそうだ。

 プロ参加後、日韓がオリンピックで対決したのは2000年のシドニー大会が最初。この時は、3位決定戦で松坂大輔を先発に立てた日本を、イ・スンヨプ擁する韓国が粉砕し、銅メダルを手にしている。

 2度目が前回の北京大会で、この時も韓国は日本相手に2戦全勝。当時、予選リーグの日韓戦を現地で観ていたが、関係者を通じて入手したチケットはなんと韓国応援団のど真ん中。すぐ近くにKBO総裁が座っているスタンドの熱狂は、向こう岸の日本応援団よりはるかに激しく、韓国球界の「熱さ」を思い知らされた。その熱気は、東京にもそのまま持ち込まれるだろう。無観客となった今、スタンドの応援というホームアドバンテージは存在しない。


盤石とは言えない投手陣


 投手陣に関しては、現在のKBOが打高投低気味であり、先発のトップ選手の多くを外国人助っ人に頼っているため、決して盤石とは言えない。先発の柱は、今シーズンすでに10勝を挙げ、防御率も2点代半ばのウォン・テイン(サムソン・ライオンズ)になるが、すでに7勝を挙げているアンダースローのチェ・ウォンジュン(斗山ベアーズ)も侮れない。

 抑えには、元阪神のオ・スンファン(サムソン・ライオンズ)が控えている。当初は代表チームのロースターに入っていなかったが、メンバーの入れ替えで最終的にはブルペン陣に加わった。今年で39歳のベテラン右腕は、すでに27セーブを挙げているものの、防御率2.52は少々物足りない数字。メジャーリーグも経験し、KBO初となる通算300セーブを挙げた韓国球界のレジェンドも、往時の「石直球」とも言われた剛球の威力は落ちているだろう。

 大ベテランが代表入りした一方で、勢いを買われてメンバー入りした若手にも注目したい。

 オ・スンファンと同時に追加招集されたのは、高卒新人左腕のキム・ジンウク(ロッテ・ジャイアンツ)だ。現在の防御率8.70は、代表入りに首を傾げたくなるものだが、データ重視で伝統的に左腕を苦手とする日本を意識しての抜擢なのかもしれない。また、同じく高卒で起亜タイガースからドラ1指名を受けたイ・ウィリもメンバーに名を連ねている。


侮れない強力打線


 投手陣を支える捕手には、ヤン・ウィジ(NCダイノス)とカン・ミンホ(サムソン・ライオンズ)の両ベテランが名を連ねている。ともに30代半ばだが、今シーズンもここまで3割をマークし、特にヤン・ウィジは、20本塁打、71打点という数字を残しており、得点源としても大きな役割を担うだろう。激務のこのポジションに関しては、対戦相手や投手との兼ね合いで併用になるのではないだろうか。

 この強打の両捕手に代表されるように、攻撃陣は他国の脅威になるはず。今回のメンバーには、現在のKBO打撃10傑のうち実に4人が選出されている。現在、打率.395で打撃ランキング1位に位置し、本塁打も10本を記録しているカン・ベクホ(KTウィズ)、KBOで3割を3度マークしているオ・ジェイル(サムソン・ライオンズ)が攻撃の中心となる可能性が高い。

 そうなると、今シーズンすでに28盗塁を記録し、トップバッターをつとめるであろうパク・ヘミン(サムソン・ライオンズ)や、かつて中日でも活躍したイ・ジョンボムの子で現在打率3位の「.345」をマークしているイ・ジョンフ(キウム・ヒーローズ)らを出塁させないことが対戦相手にとって重要となる。

 また、メンバーには、キム・ヒョンス(LGツインズ)、ファン・ジェギュン(KTウィズ)といった「メジャー帰り」も名を連ねている。ともにMLBでは目立った活躍なく韓国に戻っているが、キム・ヒョンスはKBO通算1799安打、195本塁打を誇り、ファン・ジェギュンも1644安打と実績は十分。彼らが下位に控える打線は、どこからでも得点できる印象だ。
 

 このKBOオールスターメンバーを率いるのは、北京オリンピック代表チームを率いたキム・ギョンムン。オリンピック出場権をかけた一昨年のプレミア12を前に代表監督に復帰してきたところに韓国チームの意気込みを感じる。ご存知のとおり、この大会で韓国は見事出場権を確保したものの、大会決勝で侍ジャパンの前に屈した。

 韓国にとっても日本は因縁の相手であり、決勝で相まみえ、負けるようなことは許されない。オリンピックでは再三にわたって苦杯を舐めている日本にとっても、それは同じ。日本にとって、金メダルへの最大の難関と言っていいだろう。


▼ 予想スタメン
1番(中)パク・ヘミン
2番(右)イ・ジョンフ
3番(指)カン・ペクホ
4番(一)オ・ジェイル
5番(捕)ヤン・ウィジ
6番(左)キム・ヒョンス
7番(三)ファン・ジェギュン
8番(遊)キム・ヘソン
9番(二)チェ・ジュファン


▼ 韓国代表メンバー
<投手>
1 コ・ヨンピョ(29)
11 チョ・サンウ(26)
15 キム・ジンウク(19)
18 ウォン・テイン(21)
19 コ・ウソク(22)
21 オ・スンファン(39)
23 チャ・ウチャン(34)
32 パク・セウン(25)
48 イ・ウィリ(19)
55 キム・ミンウ(26)
61 チェ・ウォンジュン(26)

<捕手>
25 ヤン・ウィジ(34)
47 カン・ミンホ(35)

<内野手>
2 オ・ジファン(31)
3 キム・ヘソン(22)
10 ファン・ジェギュン(34)
13 ホ・ギョンミン(30)
44 オ・ジェイル(34)
50 カン・ベクホ(22)
53 チェ・ジュファン(33)

<外野手>
17 パク・ヘミン(31)
22 キム・ヒョンス(33)
37 パク・コンウ(30)
51 イ・ジョンフ(23)

文=阿佐智(あさ・さとし)
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