オリックス 4 - 3 巨人(練習試合/京セラD大阪)
オリックスは31日、京セラドーム大阪で巨人と練習試合を実施。
シーズン途中に加入した新外国人投手のグレン・スパークマンが、初めて“一軍”のマウンドに登った。
アメリカ出身の29歳右腕は6月23日に入団が発表され、7月18日に入団会見を実施。以降はファームでの実戦を経て、この日の登板を迎えた。
立ち上がりから制球に苦しむ場面も見られ、3イニングで4つの四球を与えたものの、要所を締める投球で被安打3の1失点。
本人も「調整の段階という意味では、感じ自体はよかったと思います」と、まずは手ごたえを口にしている。
四球は「自分のメカニックが正しくなかった」
4つの四球に関しては、「ストライクゾーンは問題なく、自分との戦いと言うか、自分のメカニックが正しくなかったので良いところに投げられなかった」とコメント。
具体的には、「バッターと対戦するのに集中できないぐらい、身体が突っ込んでいるという形。もっともっと体重を後ろに残したまま、突っ込まないようにというところを意識したやっていきたい」とし、現時点での課題を自己分析する。
また、反省点はしっかりと受け止めながら、「こんなにたくさんのファンの皆さんの前で投球することが本当に久しぶりだったので、興奮もしていましたし、心地よかったです」と、新天地のファンの前で挨拶代わりの登板ができたことを喜んだ。
ここまでの経験から、「日本はまっすぐに強く、粘り強いバッターが多いというのがよく分かった」と言い、「自分のいろいろな球種をミックスして、より強い気持ちで向かっていかなければいけないと思いました」と語る右腕。
この日は60球での降板となったが、「対戦すればするほど調子は上がってきているので、そういう機会を用意してもらって、多くのバッターと対戦して、100球近く投げられるように。これからまたしっかりと調整していきたいと思います」と、後半戦から一軍の戦力となるべく、意気込みを述べた。
指揮官も「課題どんどん出して」
試合は2回に先制するも追いつかれ、勝ち越しを許した直後の6回裏。
巨人先発・直江大輔に対し、「ここまでチャンスでの見逃し三振やミスをしてしまっていたので、なんとかランナーを還したいと思っていました」と闘志を燃やした紅林弘太郎が適時打を放ち、2-2の同点で終盤戦へ。
7回、スパークマンの後を受けて4回から登板していた東晃平が北村拓己に一発を浴び、2-3と再び1点を追いかける展開に。
それでも9回、巨人の3番手・鍵谷陽平から代打の宗佑磨がセンターへの二塁打を放って出ると、廣澤伸哉がきっちりと送り、三振を挟んでフェリペが四球。二死ながら一・三塁のチャンスを作ると、代打の伏見寅威が放った打球はショートとセンターの間にポトリ。
三塁走者が還って土壇場で試合を振り出しに戻すと、ボールが転々とする間に一塁走者まで一気にホームイン。オリックスが逆転サヨナラ勝ちを収めた。
中嶋聡監督は試合後、「宗からはじまり、廣澤がしっかりつないで、フェリペも四球でよくつないでくれて。非常に良かったです」と、9回の攻撃について言及。
先発したスパークマンについては、「良いボールと、まだ扱えていないボールの差がある。ゾーンから完全に外れていたスライダーとかはもっと使えるはず。どんどん投げてもらって調整してほしい」とし、「いろいろな面で課題を出してもらえるのは、ぶっつけで行くよりも全然良い。どんどん出して欲しいなと思います」と、今後のさらなる良化に期待を寄せる。
また、後を受けて4イニングを投げた育成右腕・東についても、「よく投げましたよね。ホームランもありましたけど、あれが今の自分の立ち位置というか、ハッキリと分かると思う。何をしないといけないのか、そういうのも掴んでくれたら」と、“一軍”の舞台で貴重な経験を積むことができた点を収穫に挙げながら、「もうちょっとダラダラ行くかなと…。ストライクが入らないとか、力み倒しちゃうんじゃないかと思ったけど、どんどん自分のボールを投げていってくれたので良かったですね」と、高評価を与えた。
最後は「そろそろ固めていかなきゃいけないんでしょうけど。まだまだ試せるところは試していきます」と締めた指揮官。
リーグ首位で迎える後半戦に向けて、貴重なエキシビションマッチの時間を有効活用していくことを強調した。
取材・文=どら増田