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巨人、前半戦は救援陣のやりくりに苦労も…勝利への執念が伝わる継投が光る

前半戦2位で終えた巨人の救援防御率はリーグ4位の3.51だった。
前半戦は中川皓太、デラロサといった開幕前にセットアッパー、守護神として期待された2人が離脱するなど、リリーフ陣のやりくりに苦労した印象。特に“勝つ”ために、リリーフ陣をどんどん投入しリードを守りきったこともあった。原辰徳監督の勝利への執念がリリーフ陣にも伝染し勝利を積み重ねた。
6月20日の首位・阪神戦では2-1の7回二死一、二塁、北條史也に2ボール2ストライクというカウントで、この回からマウンドに上がっていた高梨雄平から鍵谷陽平に投手交代ということもあった。
同日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイタースペシャル 阪神-巨人戦』で解説を務めた山本昌氏は「その前の高梨投手のスライダーを北條選手が合っていなかったんですよ。それをどう見るかですよね」とコメント。代わってマウンドにあがった鍵谷は北條を1球目のスライダーで空振り三振に仕留めた。
山本氏は7回終了後に「ピンチになったときに、右のピッチャーは用意していたと思う。高梨投手が投げているので右バッターに回ったときのために、次のバッターのマルテ選手に(鍵谷投手が)おそらく合わせたはずなのでね。1球早くなっただけだと思います。故障が発生した時に代わるということはあるんですけど、ああいう代わり方は久しぶりに見ましたね」と自身の見解を述べ、試合後には「執念を感じましたね」と振り返った。
“勝利への執念”が伝わった継投はこれだけではない。7月7日の中日戦では、先発・山口俊が6回まで中日打線を福留孝介に浴びた本塁打1本による1点に抑え、3-1の7回も先頭の代打・郡司裕也を空振り三振、高松渡を一ゴロに打ち取り二死とする。続く京田陽太を打席に迎えるところで、原辰徳監督は左の大江竜聖に交代を告げた。
この交代に田尾氏は「原監督のなかには1点もやりたくないということなんでしょうね。左の京田、大島に(山口は)6回2人で打席に立っていて4回出塁を許しているんですよね。そういうのもあるので、隙を見せたくないという投手起用ですよ」と分析した。その大江は、京田をきっちりと左飛に仕留め、試合も3-1で勝利した。
東京五輪による中断期間や9回で試合が打ち切りということもあり、前半戦は勝利のためにリリーフ陣を出し惜しみしなかった。これが正解だったのか、裏目に出るのかはシーズンに終わってからでないとわからない部分である。ただ、目の前の試合に勝利するという“勝ちへの執念”は伝わってきた。その結果、一時首位・阪神と8あったゲーム差も前半戦終了時点で2ゲーム差まで詰めることができた。リーグ3連覇するために、原監督がどうリリーフ陣を運営していくか非常に注目だ。
(ニッポン放送ショウアップナイター)