21歳から32歳まで…若手とベテランが融合
東京オリンピックの優勝から一夜明け、野球日本代表・侍ジャパンは8日、メダリスト会見に出席。監督・コーチも含めた全30名が壇上で金メダル獲得の喜びを口にした。
稲葉篤紀監督は「まずはこのオリンピック、関係者の皆様、支えてくださった皆様に感謝を申し上げます」と関係者への謝辞を述べ、「この選手たちと結束して金メダルをとれたことを大変うれしく思っています。素晴らしい選手たちと野球ができて、本当に幸せに思います」と話した。
結果的に5戦全勝で頂点まで駆け抜けたが、決勝後に「一つも楽な試合はなかった」と語ったように、苦しい戦いを乗り越えての優勝。金メダル獲得の瞬間は重圧から解き放たれた瞬間でもあった。
そんな今大会で“プレー以外での印象的な場面”を問われた指揮官は「青柳投手のハッピーバースデーは嬉しかったですね」と、大会期間中に受けたサプライズを挙げた。
稲葉監督は8月3日に49歳の誕生日を迎え、青柳晃洋投手が宿舎でバースデーソングを披露。侍ジャパン公式YouTubeチャンネルで公開された“サプライズパーティー”の模様を捉えた動画は大きな反響を呼んだ。
稲葉監督は「ヤギもいつもとは違う場所で投げてもらったり、本当にタフなところで投げてもらってこちらも申し訳ない気持ちでいっぱいだったんですけど、それでもチームのためになんとかしたい、そして私のためにバースデーで歌を歌ってくれるという想いは嬉しかった」と、慣れないリリーフ登板で不本意な投球が続いていた右腕の熱唱に感謝。
また、試合を重ねるごとに成熟していったベンチの雰囲気についても「栗原選手もムネ(村上宗隆)もそうですけど、若い選手が非常に声を出して盛り上げてくれるという、本当に良いチームが出来上がったのかなと思います」とコメント。「坂本選手であったり、田中選手であったり、菊池選手であったり。ギータ(柳田悠岐)もユウダイ(大野雄大)もそうですけど、ベテランといわれる選手たちがまとまってくれて、若い選手とベテランの融合チーム、最高のチームが作れたと思います」と振り返った。
一昨年の『プレミア12』では松田宣浩(ソフトバンク)がムードメーカーとして欠かせない存在だったが、松田不在で臨んだ今大会は高卒4年目の21歳から“華の1988年世代”と称される32歳まで球界を引っ張るスター選手が一致団結。指揮官も“最高のチーム”と称賛する結束力を武器に頂点まで駆け抜けた。