◆ 負けず嫌いの左腕は“番長イズム”を胸に
大卒2年目の先発左腕・坂本裕哉が10日、球団施設『DOCK』での練習後のオンライン取材に応じ、オリンピック開催に伴うシーズン中断期間の取り組みと、後半戦への意気込みを明かした。
今シーズンは開幕二軍スタートだったものの、前半戦は10試合に登板して3勝をマーク。この中断期間は「後半戦しっかりとローテーションで回っていくために、今よりピッチングのレベルを上げていかないと」と投球フォームの見直しに着手した。
具体的には「トレーニングで(体力)強化し、下半身主体のフォームをしっかり作る」ことに重点を置き、「最近の試合で曲げ球の精度が悪くて。身体が曲がりきらなかったので、曲がり球も曲がりきらなかった。身体の使い方が改良できたことで、真っ直ぐの出力も上がってきた」と手応え。木塚敦志コーチも「前回のファームの登板ではしっかり指にかかったボールも増えていた」と評価していた。
前半戦はチームの大型連敗をストップさせ、サヨナラ負けの翌日に快投を見せるなど、印象的に残るピッチングを披露したが、「元々の性格が負けず嫌いなので、直近だと三嶋さんのサヨナラ負けがあったときは『自分の試合でやり返す』という気持ちを奮い立たせてくれる試合でしたね。そういう試合のほうが燃えやすい」と話し、「それくらいの気持ちを持って投げれば結果はついてくるっていうのが自分の中での自信にもなった」と振り返った。
後半戦は「気持ちの準備も、身体の準備もしっかりとしたいと思う。まだポジションが確約されている立場ではないので」と前置きしながらも「任された試合では勝ちに貢献できるピッチングをして、ローテーションを回るからには1試合の中で長いイニングを投げ、悪くても7回を投げるのが最低限のクオリティーになるように」と志は高い。
「完封、完投が試合の中での目標。シーズンを通して何回もできるようなピッチャーになって行きたい」と、三浦大輔監督が現役時に何度も口にしたセリフを残した坂本。『完封完投、やられたらやり返す』“番長イズム”を胸に一気にブレイクスルーを果たすか、後半戦のパフォーマンスに注目だ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)