ニュース 2021.08.11. 18:30

プロ野球の2021シーズン前半戦を振り返る!【新人王編】

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オリックス・宮城

大豊作の2021年


 約1カ月の五輪中断期間を終え、後半戦を再開させようとしているプロ野球。そこで今回はセ・パ両リーグの前半戦を振り返りつつ、前半戦の「ベストナイン」、「MVP」、「新人王」などを選んでみようじゃないかということで、対談企画を実施。野球ライターの西尾典文さん、菊地選手に加え、「河野名鑑」でもおなじみの河野万里奈さんをゲストに迎えて、各項目を選んでいただきました。

 今回は前半戦の「新人王」について。近年稀に見る当たり年となった今季は、どうなるのでしょうか!? 前半戦を終えた段階での両者の評価はいかに?

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——それでは西尾さんのセ・リーグの新人王から見ていきたいと思いますが、佐藤輝明選手(阪神)を選ばれていますね。


<佐藤輝明/阪神>
84試合:打率.267(311打数83安打)/20本塁打/52打点/OPS.833

西尾 前半戦終了時点の成績でも新人王を獲ってもおかしくないと思います。新人でホームランを20本打つ選手ってなかなかいないですからね。村田修一さん(元横浜・巨人)が25本(03年)打っていますけど、前半戦で20本というのはなかなか規格外な数字ですよね。

——次点が栗林投手(広島)ですね。

西尾 例年なら新人王間違いなしの活躍なんですけどね。あれだけ三振が取れてランナーも出さなくて、いまセ・リーグの抑えで一番安定していますよね。1点差の展開とかでも簡単に3人で抑えたりしますからね、やっぱり凄いなと思います。

 永川コーチが教えたというフォークが良くなりました。トヨタのときはあそこまで凄いフォークは投げてなかったですからね。そんなに背が高いワケじゃないんですけど真上から投げるので角度があってバッターは相当打ちづらいんじゃないかと思います。バットに当たらないですもんね。

——今年のセ・リーグはその他の新人の活躍も目立ちますね。

西尾 牧選手(DeNA)も中野選手(阪神)も本来であれば選ばれてもおかしくない成績なんですけどね。


——続いて菊地さんのセ・リーグの新人王を見てみましょう。菊地さんも佐藤選手ですね。

菊地 だって「他にいます?」って感じじゃないですか? 多分、3位が牧選手、4位が中野選手というところまで西尾さんと同じだと思うんです。4人とも、新人らしからぬというか、佐藤選手はもう新人という枠を超越した「神」というか。

河野西尾 (笑)。

菊地 栗林選手は「課長」みたいな中間管理職の悲哀みたいな。さっき西尾さんもおっしゃっていましたけどフォークが良くなりましたよね。広島はリリーフ選任のピッチャーはドラフトで獲らないんですよ。基本は先発型の投手を獲って、適正は現場に任せるという方針なんです。なので、1位の栗林投手も2位の森浦投手も3位の大道投手も先発として獲ったはずなんです。


<栗林良吏/広島>
34登板(33.2回):0勝1敗18セーブ/防御率0.53/54奪三振/奪三振率14.44

 そんな中で佐々岡監督が栗林投手にリリーフの適正を見たと思うんですよね。佐々岡監督も先発、抑えとどっちもやっていた方なので「栗林もどっちもできるだろ」みたいなノリかもしれないですけど(笑)。


——確かにカープはその3人が開幕一軍に入りリリーフで活躍して、大道投手は途中から先発に回ってからも活躍していますね。

西尾 阪神の伊藤投手も活躍していますよね。未曾有の新人当たり年ですね。

菊地 伊藤投手なんかプロで10年くらいメシ食っているような雰囲気で凄い脱力して投げていますよね。牧選手に至っては開幕3番ファーストですからね。

西尾 (そこは)新外国人枠ですよね。

菊地 中堅の域に入ってきたなという雰囲気のある大卒1年目というね。


——河野さんも新人王は栗林選手を推していましたね。

河野 「栗林選手を救う会」というハッシュタグを作りたいくらいです

西尾菊地 (笑)。

西尾 ルールなんで仕方ないんですけど、9回裏に同点で出て行って抑えてもホールドも何もつかないんですよね。あのルールは可哀想ですよね。むしろホールドよりも価値があるんじゃないかって思うんですよね。0.5セーブくらいあげて欲しいですよね。



——では続いてパ・リーグの新人王を見ていきましょう。まずは西尾さんからですが高卒2年目のオリックス宮城投手、次点が新人の日本ハム伊藤投手。


<宮城大弥/オリックス>
14登板(94.1回):9勝1敗/防御率2.10/94奪三振/QS率78.6%

西尾 宮城投手はもはや日本を代表するサウスポーですよね。こんなに凄くなるとは正直思わなかったですね。中学時代にU15日本代表とかに選ばれて、高校1年の夏に出てきたときはスーパー1年生みたいに騒がれていたんですけどプロに行くようなタイプの投手ではないなって見ていたんです。高校3年になってからはこれはプロだなって思ったんですけど、でもこんなに早くローテーションに入ってバリバリ活躍するなんて全く思わなかったですね。人の成長って改めて凄いなって思い知らされましたね。

——9勝は山本由伸投手と並んでトップタイの活躍ですもんね。大化けしましたね。

西尾 身体が小さかった分、平良投手(西武)とかもそうだと思うんですけど、ウエイトトレーニングとかで早くから鍛えやすかったのかなというのもあると思いますね。逆に佐々木朗希投手(ロッテ)とかはまだ背が伸びているので、まだあまり負荷をかけられないとか。だから小さいからこそ早く出てこられたというのもありそうな気がしますね

——次点で選ばれたのが日本ハムの伊藤投手ですね。こちらも救う会を結成した方がいいんじゃないかという。

西尾 はじめの頃は楽天の早川投手が活躍して、伊藤投手は味方の援護がない、勝っていても後続のピッチャーが打たれるみたいなのもあって、ちょっと可哀想だなって見ていたんですけど、それをも自らの力で切り開いていったなぁと思って。オリンピックにも選ばれましたし。プロで早く活躍するならリリーフだろうなと思っていたんですが、先発でもあれだけ変化球がよくてコントロールもよくて奪三振率も高くて。日本ハムの希望の星ですよね、地元北海道出身ですし。


——続いて菊地さんのパ・リーグの新人王を見ていきましょう。こちらは伊藤投手が上に来て新人王。次点が楽天の早川投手。


<伊藤大海/日本ハム>
13登板(81.2回):7勝4敗/防御率2.42/87奪三振/QS率84.6%

菊地 でも実質は一緒ですね。本当は僕も宮城投手ですよ。

西尾 ・河野 (笑)。

菊地 新人じゃないじゃないですか? 2年目ですし、高校3年くらいのときから社会人のピッチャーが投げているみたいな雰囲気で、老獪じゃないですけどベテランの雰囲気も持っているので、ちょっと新人というくくりから申し訳ないですけど外させていただいたと。ご遠慮いただきました。それくらいの風格がありますよね。

西尾 ・河野 (笑)。

菊地 個人的にもこの2人は昨年インタビューとかもさせていただいて思い入れのある選手なんですが、こういう選手がプロで活躍して欲しいなと思える、人間的にも素晴らしい若者なんですよね。

 特に伊藤投手は思いを乗せたくなるピッチャーというか、投げ姿にひしひしと感じるものがあって、味方が打てないだけじゃなくて守れなかったりもするじゃないですか、伊藤投手が投げる時って。味方が大事なところでエラーをしたりとか。それでもめげずに頑張っていたら風向きがどんどん変わっていってどんどん勝ちだして。

——たしかに!

菊地 伊藤投手の好きなエピソードがあって、小学校6年生のときに12球団ジュニアトーナメントの北海道日本ハムジュニアを受験して、チームメイトは受かって伊藤投手は落ちているんです。それで泣きながらセレクションから帰って「俺も上手くなってやる!」って努力して、そんなに身体も大きくない選手で大学も途中で辞めて北海道に戻ってきて無名の大学から自力で這い上がってきた選手なので、やっぱりこういう選手が成功してこそのプロ野球なんじゃないかなと。


——次点が早川投手ですね。昨年のドラフトを沸かせた選手でもありますけども。


<早川隆久/楽天>
13登板(79.2回):7勝3敗/防御率3.39/75奪三振/QS率38.5%

菊地 早川投手からしたら、僕の欲目かもしれませんけど、これが最低ラインの成績だと思うんです。早川投手が活躍できなかったら誰が活躍できるんだっていう無双状態でしたから、昨年の秋の段階(早稲田大学時代)では。だから前半戦に成績は残しているんですけど「いや、こんなもんじゃないでしょ?」と思うところがあって。まだまだ順応できると思うので、後半戦さらに伸びてくるんじゃないかなと思いますね。

河野 まだまだ伸びる......(小声)


——新人王選手として3人の選手の名前が挙がりましたが、河野さんは宮城投手?

河野 そうですね、ぶっちぎっているなって思って。「これ以外におらんやろ!」って思ってたんですが、お話を聞いているとパ・リーグも強烈な選手たちが揃っていましたね。

西尾 ケガをしちゃいましたけど西武の若林選手も凄かったですよね。

河野 確かに!! デフォルト出塁してましたよね。

西尾 あんなに盗塁できるって正直びっくりしました。足は速いのは知っていましたけどプロであんなに盗塁するんだって。

菊地 自分もです。しかも去年の今頃だったらドラフトにかかる当落線上の選手でしたから。打ち方も良いし、守備も良いし、足も速いし、大学の下級生の頃から良い選手だなぁって思っていましたけど、成績見たら全然打っていなくて。

西尾 確か大学3年終わったときに通算打率が1割台だったと思います。

菊地 なんでこんな能力が高い選手がこんな成績なの? そう思っていたら大学4年の時に大ブレイクしてドラフトにかかって、プロのレギュラーになって盗塁王を狙えるくらいになって。あんなに早めにケガをしたのに未だに盗塁数1位ですからね。

西尾 ロッテの鈴木投手もちょっと今はアレですけど最初の方は勝っていましたし、日本ハムの五十幡選手もケガをしていますけど凄いところを見せてくれたので後半戦は走りまくって欲しいなと思いますし、セ・リーグほどではないにしてもパ・リーグもルーキーの活躍は凄いですよね。


 それではセ・パ両リーグの前半戦新人王はこの辺で。次回は両リーグの前半戦のサプライズ選手を勝手に選びます!

【動画】西尾&菊地が振り返るプロ野球前半戦<新人王編>



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