最強で最高の外国人選手
ロッテの外国人選手は非常に頼もしい。
前半戦はマーティンがチームトップの21本塁打、58打点をマークすれば、レアードもマーティンに次いでチーム2位の18本塁打55打点を挙げた。さらに新外国人のエチェバリアも、5月29日の広島戦で来日第1号となる3ランを含む3安打5打点の活躍を見せるなど、ここまで24試合に出場して、打率.224、3本塁打、12打点の成績を残す。12球団トップの384得点を誇る打線において、マーティン、レアード、エチェバリアの3人は欠かせない存在だ。
投手陣もハーマン、フローレスの2人がリリーフとして奮闘した。セットアッパーのハーマンは4月7日のオリックス戦から4月29日の西武戦にかけて10試合連続無失点に抑えたが、その一方で4月2日の日本ハム戦で4失点、5月12日のソフトバンク戦で5失点と1試合に大量失点しまうもったいない登板もあった。
昨季10月以降7試合・12回1/3を投げ、防御率0.73の投球を見せたフローレスは開幕二軍スタートも、6月4日に今季初昇格を果たすと、主にビハインドゲームのリリーフを中心に8試合・10回、防御率1.80の成績を残した。7月3日の楽天戦では2-3の7回から登板し、2回をパーフェクトリリーフに抑えると、8回裏に打線が3点を奪い逆転勝ち。地味な役割ではあるが、リードされている展開を勝ちゲームにもっていくような投球ができるのは、非常にありがたい。
ここに後半戦からは新外国人投手のロメロが加わる。ロメロは19年から中日で2年間プレーし、来日1年目には先発で21試合に登板して8勝10敗、防御率4.29という成績を残している。
先発陣は前半戦、“エース格”として期待された石川歩、美馬学が一軍から離れていた時期が長く、岩下大輝がチームトップの8勝を挙げたものの、チーム先発防御率は4.41と不安定だった。リーグ優勝に向けて、ロメロが“即戦力”の投手として機能するか、しないかは非常に重要になってくる。
気になる一軍の外国人選手枠
ロメロが加入したことで、一軍の外国人選手登録枠もどのように運用していくのかも気になるところ。
今季も昨季と同じように一軍外国人登録は、これまでの4人から5人登録することができる(ベンチ入りは4人まで)。
前半戦の外国人の一軍登録枠はというと、基本的にはマーティン、レアード、ハーマンの3人体制が多く、5人登録していた期間は7月5日の楽天戦から7日のソフトバンク戦にかけての3試合しかなかった。
3試合ともマーティン、レアード、エチェバリアの3人がスタメン出場していたため、ベンチに入れていた投手は1人で、3試合ともにハーマンだった。ベンチから外れていたフローレスは7月8日に一軍登録を抹消され、前半戦の最後はマーティン、レアード、エチェバリア、ハーマンの4人体制だった。
ロメロが一軍で先発起用されるとなれば、野手3人、投手2人という登録が現実的か。マーティン、レアード、エチェバリアは攻守に欠かせないだけに、野手陣が故障で離脱することがなければ、リリーフのハーマン、フローレスの調子の良い方が一軍という形になりそうな予感だ。ただ、何が起こるかわからないのがプロ野球。臨機応変に一軍の外国人枠を使っていきたいところだ。
ロッテは37勝34敗12分の3位で、首位・オリックスとのゲーム差は2.5。1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝も狙える位置にいる。一時帰国していたマーティンが10日に再来日し、入国者待機期間を経てチームに合流するため、後半戦の最初はマーティンを欠いて戦うことになるが、後半戦も外国人選手の活躍に期待したい。
▼ 外国人選手たちの前半戦成績
<野手>
マーティン 83試 率.252 本21 点58 盗3 四球52 出塁率.370
レアード 76試 率.284 本18 点55 盗0 四球30 出塁率.358
エチェバリア 24試 率.224 本3 点12 盗0 四球2 出塁率.243
<投手>
ハーマン 29試 0勝0敗20H 振24 与四8 防5.93
フローレス 8試 1勝0敗0H 振9 与四5 防1.80
文=岩下雄太