コミュ力の高さで金に貢献
東京オリンピック(五輪)の野球日本代表として金メダル獲得に貢献したDeNAの山﨑康晃投手が12日、「DOCK」で行われた全体練習後の取材に応じ、東京五輪での日々を振り返りつつ、後半戦への意気込みを口にした。
開口一番、「世間が大変な状況の中でオリンピックが開催されたことに感謝しています」と、山﨑らしい感謝の言葉を残した後、「たくさんの日本国民がオリンピックに注目して下さって、中でも野球の金に対して祝福してお祝いしてくれることを、僕自身嬉しく思っています」と、喜びを表現した。
また、昨年の絶不調を経ての代表選出に「昨年の苦しい想いから一転、調子を少しづつ取り戻して、侍の一員としてみんなと一緒に戦えたことを嬉しく思う」との思いを口にし、「稲葉さんに信頼してもらって招集していただいた。どのポジションでもやらせていただきたいという自分の気持ちは伝えさせてもらった」と、フォア・ザ・チームの精神で五輪に臨んでいたことを強調した。
ブルペンのリーダー的な役割を期待されていたこともあり、「コミュニケーションに関しては多く取りました。ブルペンでの会話を増やしたり、Twitterに上げるためにカメラ持って現れたり。僕自身も経験しましたが、特に年下の子は緊張するので、僕から入っていった」ことを明かし、「田中(将大)さんだったり大野雄大さんとかにはちょっとほぐしながら、最終的には『マーくん』って呼んだり」と、持ち前のコミュ力の高さを生かして、チームの潤滑油として気を遣い続けた。
結果的に出番は2試合だったが、「最後までブルペンでバックアップする形になりましたが、僕としては力になれたのかなと思います。ブルペンで和気あいあいとした空気、リラックスした空気を作れたのならば、僕自身の仕事はしっかりと全うできたのかな」と胸を張った。
ベイスターズにもいい流れを
そして14日から再開する後半戦は、自身と同じ侍戦士の山田哲人や村上宗隆のいるヤクルト戦から始まる。山﨑は「楽しみにしている部分もある」としつつ、「どの選手が相手でも、僕のできることをしっかりとやりたい。気持ちを精一杯出して向かって行きたい。胸を借りるつもりで勝負したいなと思います」と、昨日の友は明日の敵であることを強調した。
さらに、「特に若いブルペン陣には、各球団のエリート、トップと同じ空気を吸ったことで、どういう空気だとリラックスした状況でできるのかといった話は十分できると思う」「侍ジャパンでできたことは自分のチームでも必ずできる。チームにいい雰囲気をもたらせらるようなブルペンになっていければ」と、侍エキスの注入も目論む。
「五輪の色々な部分で成長させてもらった姿を、チームに帰って表現できることは楽しみ。一番の楽しみは、みんなで足並み揃えて一歩目から戦えること」と、明後日からの再スタートを見据えた山﨑康晃。金メダリストとなった右腕がチームに何をもたらすのか、後半戦の活躍にも大きな期待がかかる。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)