12球団最速の10勝到達
ペナントレース再開を首位で迎えたオリックスは、13日のロッテ戦に6-3で勝利。
今季大ブレイク中の19歳左腕・宮城大弥が、両リーグ最速で2ケタ・10勝目を挙げた。
この日のZOZOマリンは雨が強まったり、弱まったりを繰り返す投手にとって困難なコンディション。
それでも、序盤から味方の援護を受けた左腕はテンポ良く序盤の3イニングを無失点でスタート。
4回に初の連打から一・三塁のピンチを招いたものの、ここも犠飛による1点でしのぎ、最少失点で切り抜けた。
味方に6点をもらった宮城はその後も崩れる気配を見せず、6回に藤原恭大と中村奨吾の連打で1点こそ失ったものの、ここも残ったピンチは後続を斬って1点で食い止める。
ベテランの角中勝也には粘られてフルカウントまで持ち込まれながら、最後は渾身の148キロ速球で空振り三振。これがこの日の103球目、思わずガッツポーズも飛び出した6回2失点の力投だった。
谷繁さんが見た宮城の“課題”とは…?
後半戦も白星発進を決め、今季は15試合の登板で10勝1敗、防御率2.15という圧巻の成績。
高卒2年目にして早くも山本由伸とともにWエースに君臨する19歳について、13日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の谷繁元信氏は、「ナイスピッチングなんですが、課題もあるなという感じがした」と言う。
谷繁氏が挙げた“課題”は「対左バッター」への攻め方について。
「ロッテには3人の左打者(藤原・角中・藤岡)がいたんですが、左バッターに対してのインサイドがあまり決まっていない。また数も少ない」と、この日の投球を振り返りつつ、「そのため左バッターに踏み込まれるというところが見られたので、そこが投げられるようになれば、さらにタイトルに近づいていくと思います」と解説。
たしかに、この試合終了時点のデータを見ても、対右の被打率は.172だが、対左は.201。一般的には有利とされる「左対左」の方が成績が悪くなっているのだ。これから先、さらなる高みを目指していく中で“左殺しの極意”が会得できれば、まさに鬼に金棒と言えるだろう。
一方で、谷繁氏は“強み”についても言及。それが「右バッターのインサイドへのストレート」だ。
相手の懐に食い込む“クロスファイア”が大きな武器になっているとし、「相当力があって角度もある。右バッターは打ちづらいですし、そこを気にしているとアウトコースに落とされて引っかけてしまう」と、その効果についてもコメント。
より良くなるためのアドバイスも挙げつつ、パ・リーグの並みいる右のスラッガーたちを惑わせる必殺のボールに太鼓判を押した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』