自己最速ならずも“心の190キロ”
お笑いコンビ、ティモンディの高岸宏行と前田裕太が29日、京セラドーム大阪で行われたオリックス対ソフトバンクの特別始球式に登板。この日が最終日となる『Bs夏の陣2021』の特別ユニフォームに身を包んだ高岸がピッチャー、前田がキャッチャーを務めた。
高岸は投球練習を2球投げると本番へ。最速142キロの記録を塗り替えられるか注目されたが、角度のあるストレートは140キロを計測。高岸は自身最速とはならなかったものの「今までの最高は心の185キロだったんですが、みなさんのおかげで190キロ出ました。ありがとう!」と笑顔。前田は「オリックスさんに我々の始球式で勢いがつけば」と言うと、最後は高岸が「みんなで心をひとつにしていきましょう! やれば出来る!」と、お約束の決めゼリフでオリックスにエールを贈り、客席からは大きな拍手が送られた。
降板後、インタビュールームに現れるとまず前田が「凄い素敵な環境で投げさせていただいたので、きょうも想い出に残る一球でした。何よりお客さんが暖かく迎えてくれたので」と言うと、高岸は「バファローズさんの本拠地で、バファローズさんのユニフォームを着て参加させていただいたんですけど、ソフトバンクファンのみなさんも暖かい拍手を贈ってくださったり、球場全体の暖かい雰囲気がとても勇気をいただきましたし、これからもみんなを応援していこうという強い気持ちがさらに芽生えました」と笑顔で語った。
スピードに関しては「今の僕のフルマックスは出せましたね。ホントみなさんのおかげですね。僕の力だけだったら130もいってないと思うので、みなさんのアツいエールのおかげで何とか出すことが出来ました」と感謝の気持ちを改めて強調。前田が「元気玉方式でスピードが出てたみたいです」と補足した。
オリックスの選手の中には「ちょっと前に番組で杉本(裕太郎)選手と高岸が対戦させていただきまして、その時も僕はキャッチャーだったんですけど、始球式始まる前に『また勝負しましょう』と声をかけていただいた」という。
前田は宮城大弥と誕生日が同じだが、「喋りたいですね(笑)。それはただファンとしてですけど。こんなに人生差がつくもんだな(笑)彼は若いですけど凄い先を行ってますから。僕も追いつけ追い越せで頑張るように。きょう出来ればお時間あればお喋りしにいきたいなと思います」と話した。
オリックスのリーグ優勝の可能性について高岸は「もちろん!やれば出来ますし、僕がいつも気持ちを込めて言ってるのは、どんな時でも前向きに挑戦すれば必ず成長出来ると。それが成功にも繋がるよという意味で言ってるので、大事なのはベストを尽くしてお客さまに勇気を与えることだと僕は考えてるんで、必ずやれば出来ると信じてます」とコメント。
京セラのマウンドは「すっごい硬かったですね。ビックリしました。最初、(スパイクの)刃が挟まって抜けないぐらいの(硬さだった)。(メジャー仕様と言われると)そうなんですね。粘土質で、やっぱりドーム状態なんで声が反響して、みなさんの『頑張れ!』というひとつのエールというのも、選手のみなさんは応援を力にしてプレーされてるんだなと、身をもって体験出来たので、ホントに宝物の体験になりました」と高岸は目を輝かせていた。
6月30日から単独首位の座をキープしているオリックス。25年ぶりのリーグ優勝も「やれば出来る」はずだ。
取材・文=どら増田