今日も9回に得点
“11”
この数字は28日の楽天戦終了時点でロッテが、8月13日以降の後半戦で9回に奪った得点数だ。イニング別の得点では、9回が最多となっている。
▼イニング別得点数(8月13日〜28日まで)
2回:8点
3回:2点
4回:4点
5回:7点
6回:8点
7回:7点
8回:4点
9回:11点
そして、29日の楽天戦でも0-0の9回に得点を挙げ、8月13日以降の9回に奪った得点数が“12”となった。
先頭の中村奨吾が3ボール2ストライクから宋家豪が投じた低めのツーシームを冷静に見送り、四球を選ぶ。ここでマリーンズベンチはすかさず、代走に“切り札”和田康士朗を送る。続く4番・マーティンは1ボールからの2球目を打ちにいき、打球はセカンドへ。楽天のセカンド・浅村が難しい体勢で二塁へスローイングするも、これが悪送球となり、一塁走者の和田、打者走者のマーティンも二塁へ。ノーアウトで二、三塁の好機を作る。
二塁走者もマーティンから岡大海に代え、“足のスペシャリスト”2人を塁上におき、なんとしても1点を奪いにいく姿勢を見せる。三塁走者が和田ということもあり、ゴロを転がせば1点というところだったが、レアードが空振り三振、佐藤都志也が三邪飛で2アウト。ここで打席には、田村龍弘。田村は3ボール1ストライクから5球目の外角のストレートを見送り、3ボール2ストライクとなると、ここから4球連続でファウルで粘る。宋家豪が投じた10球目のチェンジアップを捉えると打球はレフト前に抜けていき、欲しかった“1点”をつかみ取った。
この1点のリードを守護神・益田直也が守りきり、1-0で勝利し4連勝で貯金を今季最多の7とした。
終盤の粘り
冒頭でも述べたように、後半戦に入ってからイニング別では“9回”の12得点が最多。“勝利”や“引き分け”に結びついた試合が多い。
8月20日のソフトバンク戦は2-2の9回にエチェバリアが値千金の3ランを放ち5-3で勝利すると、0-5の7回に5点を挙げ同点に追いついた8月21日のソフトバンク戦では、5-5の9回にレアードの適時内野安打で勝ち越し、佐藤都志也の2ランで3点を挙げ、8-6で勝利した。
さらに8月24日の日本ハム戦ではチャンスを作りながら8回まで得点を挙げられず、0-3のまま9回を迎えたが、先頭の藤岡裕大、続く田村の連打で1点を返すと、荻野貴司、中村の適時打で同点に追いつき、引き分けに持ち込んだ。点差の開いた場面でダメ押しの得点などではなく、勝負所で掴みとった得点なのだ。
終盤に得点を挙げる打線の粘り強さだけでなく、リリーフ陣の存在も忘れてはならない。“勝ちパターン”で投げる国吉佑樹、佐々木千隼、益田直也をはじめ、東妻勇輔、田中靖洋、中村稔弥といったリリーフ陣がしっかりと“0”に抑えているからこそ、試合終盤での勝ちに結びついている。
いよいよホームへ
後半戦最初のZOZOマリンでの6試合は2勝3敗1分と負け越し、ビジターでのソフトバンク戦、日本ハム戦、楽天戦はどうなるかと思ったが、終わってみれば6勝1敗1分の勝ち越し。ビジターでの戦いが終わり、31日からは本拠地・ZOZOマリンで西武2連戦、9月3日からは日本ハムとの3連戦と続く。
ここ最近の戦いを見ると、打線は若手、中堅、ベテランがうまく融合し、投手陣も先発に不安定さはあるものの、“勝利の方程式”が確立されており、そのほかの救援陣も安定。チーム力は間違いなく上がっている。注文をつけるとすれば、序盤に得点し先行逃げ切りの試合を増やしたいところ。
また、今がチームとして最高の状態ではなく、これが当たり前という形に持っていきたい。そうすれば、今年こそ10月に歓喜の瞬間を迎えられるはずだ。
文=岩下雄太